有史以来の「世界人口」を説明する動画が世界中で話題に

2016/11/23 10:00

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(画像はYouTubeのスクリーンショット)

歴史を考える上で、「その時の人口はどれくらいだったか」は必ず調べなければならない。

人口は国力の源である。そして世界人口は基本的に右肩上がりで、人間の数自体が増えた結果何が起こったかも研究材料となる。

そんななか、アメリカ自然史博物館が、興味深い動画を公開した。それは「世界人口の推移」だ。


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■紀元後1年の人口は?

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この動画は紀元前10万年まで遡り、我々人類がどのような経緯をたどって子孫を残したかが紹介されている。

アフリカ大陸からヒトが世界各地へ渡り、やがて紀元後1年を迎える。その当時はヨーロッパではローマ帝国、中国では漢朝が成立していた。この時点での世界人口は、1億7,000万人。

しばらくするとユーラシアの東西を結ぶシルクロードが確立し、漢朝が消える。日本でも人気の高い三国志の時代だ。だがこの時の世界人口は、ようやく1億8,000万人を超えた程度。

ここからイスラム教誕生までの間の数世紀は、概ね1億8,000万前後で推移している。だが7世紀の中葉あたりから堅調に世界人口が伸び続け、10世紀に到達する頃には2億3,000万人にまで増えた。


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■ペストの衝撃

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11世紀には中国では北宋が栄え、ヨーロッパにおいてはキリスト教とイスラム教の闘争が激しくなった。よく見るとこの頃の中国は、一気に人口を増やしている。

宋朝は軍事的には弱かったが、文化の面では人類史に多大な影響を残すほど発展。それはやはり、「国が豊かだった」からだ。


やがてチンギス・ハーンのモンゴルが台頭し、ユーラシアを席巻する。13世紀末の時点での世界人口は3億8,000万人。だが、ここから人類は未曾有の危機に直面することに。

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14世紀はユーラシア大陸でペストが大流行。この100年間は人口がみるみる減り続け、14世紀末には3億4,000万人にまで落ち込んだ。


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■産業革命のインパクト

だがそこからV字回復を果たし、コロンブスのアメリカ大陸発見の時は4億2,000万人に数が膨れ上がる。

その後始まった奴隷貿易は、結果的に世界各地へ「異なる人種」の人々を送り込んだ。3年前にアメリカのオバマ大統領夫妻が奴隷貿易の中心地だったゴレ島を訪れたが、そうした悲惨な歴史もこの動画では隠さず紹介されている。

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(画像はYouTubeのスクリーンショット)

そして産業革命が始まると、世界人口は一気に飛躍。人の数とは、生産力の数値でもある。かつての常識では考えられなかったペースで人口が増え続け、2度の世界大戦を経てもそれは変わらない。

むしろ、人口が急増したからこそ世界大戦が勃発したという見方もできる。


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■歴史考察に欠かせない動画

歴史とは「人間が行動した記録」だから、どんな事件でも人口と照らし合わせて考える必要がある。

日本の戦国時代も、諸大名の「いかに自国の民を養うか」という打算が折り重なった結果発生したこと。さらに人口が分かれば、そこからどれだけの兵力を動員できるかの計算もできる。現に豊臣秀吉の行った太閤検地は、日本の正確な人口を把握するための事業だった。

そういった理由で、有史以来の世界人口を表したこの動画は非常に価値が高い。まさに必見の映像だ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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