アニメ版視聴者にこそ観てほしい！『劇場版 艦これ』は救いの物語

2016年11月26日、映画『劇場版 艦これ』が公開された。

艦これとは、実在艦艇を女性として擬人化した艦娘（かんむす）を集めて、敵（通称：深海棲艦）と戦闘し勝利をめざす人気の育成シミュレーションゲーム。ユーザーは提督に位置付けられる。

2015年1月から3月に放送されたTVアニメ版は、ほのぼの路線とシリアス路線を行き来するストーリー構成や、原作のキャラ設定から逸脱した行動を起こす艦娘など、提督たちを落胆させる内容となっていた。

もはや黒歴史とも言われていたアニメ版の続編として制作された映画に対して、ネット上では観る前から叩く人も少なくなかった。

 

■アニメ版視聴者にこそ劇場版を観てほしい

劇場版は、アニメ版でわだかまりを生んだ、とある艦娘がストーリーの主軸だ。南方最前線拠点のショートランド泊地に艦娘が集結し、ソロモン諸島の戦いが舞台となる。全力出撃作戦では48人の艦娘が4つの艦隊を編成して活躍する。

アニメ主要メンバーが主体でありつつ、アニメでは出番のなかった艦娘にスポットが当たる場面もある。記者個人的には天龍の活躍がうれしかった。

ストーリー構成は大部分がシリアス展開で構成。戦闘描写も迫力満点に描かれており、がっかりすることはないが、賛否両論ある。

艦娘や深海棲艦が戦う理由が語られる物語でもある。提督たちがアニメ版で求めていた要素を詰め込んだような作品である。

ネット上でも映画を視聴した提督たちから「こういうのでよい」「これならアニメの2期に期待できる」とのポジティブな感想が多く見られた。

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■パンフレットも提督必読

パンフレットにはアニメ版での軌跡や、主要艦娘のアニメ版を踏まえたプロフィールはもちろん、主演声優・上坂すみれ（24）や主題歌アーティスト・西沢幸奏（19）へのインタビューもある。

本映画での作戦展開図は提督なら見なれた構図をしている。なにより設定資料集には出演艦娘65キャラの身長を背比べしており、二次創作をする絵師は重宝しそう。

アニメ版で心を轟沈させてしまった提督たちを救うことに尽力した作品である。アニメ未見の人は一挙視聴してから臨んでみるのもオススメだ。

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（取材・文／しらべぇ編集部・モトタキ）