「豊臣秀吉」はやっぱり妬まれる?部下の大出世が許せない人の割合は…
豊臣秀吉は、現代でもビジネス書などに引っ張りだこの「人気者」だ。
この人物に見習うべき部分はたくさんあるが、何よりも「最下層から出世した」点が今も多くの共感を生み出している。そして「なぜ秀吉は出世できたのか」は、あらゆるビジネス書が取り扱っている。
だが、ここで忘れてはいけないのは「秀吉は妬まれていた」という事実。他人からの妬みは、大出世を遂げるための何よりの障害になってしまう。
■出世頭・秀吉の苦悩
たとえば、当初は秀吉の上司だった柴田勝家から見れば、秀吉はどのような存在に映ったのだろうか。
「なぜあのような猿が、お館様に可愛がられるのか。猿めの小芝居ごとき、誰にだってできる!」。そう考えていたからこそ、勝家は常に秀吉と対立していた。
自分より後発の人材を「新参者」と言って見下す者は現代社会にも散見されるが、要するに自分が追い抜かれるかもしれない焦りの裏返しなのだ。
逆に秀吉の先輩だった前田利家や、落ちぶれたとはいえ由緒ある家柄出身の山内一豊などは「秀吉はすごい。俺以上の実力を持っている」と考えた。だからこそ秀吉の家来になったのだ。
下手なプライドを捨て去ったからこそ、前田も山内も滅びることなく明治維新を迎えた。
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■猿に屈してなるものか!
しらべぇ編集部では、全国20代〜60代の男女1362名にこのような調査をとった。「もし自分の部下が上司になったら、無条件で反発するか?」という内容だ。
結果、14%の人が「はい」と答えている。現代ですら、これだけの割合の「柴田勝家」が存在するのだ。格式が立ちはだかっていた16世紀日本なら、なおさらだろう。
そういうことがあったから、秀吉の天下平定事業は文章で書く以上に困難を極めた。歴史書では四国・九州の制圧から伊達政宗の降伏、そして北条氏滅亡まであっさりと書いている。
だが、これらの諸大名は「各地方の名門」なのだ。「百姓出身の猿」に、なぜ頭を下げなければならないのか?
そうした視点で観察すると、秀吉の苦労がよく分かる。
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■現代の「秀吉」
そして冷静に考えれば、16世紀よりも現代のほうが「豊臣秀吉」の出現する可能性が高い。
今は部下でも、数年後には上司になっているケースはいくらでも想定できる。また、年配の窓際社員もいつどのようなタイミングで化けるかわからない。そうした逆転性は、現代社会の足下に常に付きまとう。
さらに言えば、秀吉の周囲の人間は「柴田勝家」になるか「前田利家」になるかの選択を迫られる。余計なプライドを捨て切れず、厳正な判断ができなければあっという間に没落してしまう。
それを避けるためには、「どのような人間でも決してバカにしてはいけない」という心構えが求められるのだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年11月25日~2016年11月28日
対象:全国20代~60代の男女1,362名(有効回答数)