寝台特急「北斗星」、ホテルになって再デビュー 実車パーツの活用も

2016/12/08 11:00


総武快速線の馬喰町駅前に12月15日、上野と札幌を結んで人気を博した寝台特急「北斗星」の車内設備を再利用する宿泊施設「Train Hostel 北斗星」(東京都中央区)をオープンさせる。


画像をもっと見る

■人気を博した寝台特急

sirabee161206hokutosei5
(©写真AC)

寝台特急「北斗星」は、青函トンネルの開通で線路がつながった本州と北海道を直行する夜行列車として1988(昭和63)年にデビュー。運転区間は東京・上野〜札幌間で、個室寝台がメインの豪華列車として人気を博した。

とりわけ一列車あたり合わせて16室のA寝台個室「ロイヤル」「ツインデラックス」は、1カ月前の発売と同時に売り切れる「プレミアムチケット」として話題に。夜行列車の斜陽化が叫ばれる中、さらに豪華な個室を備えた寝台特急「カシオペア」(上野〜札幌)が誕生するきっかけを作ったことでも知られる。

sirabee161206hokutosei8
(©写真AC)

最盛期は3往復あった北斗星も、2008年には1往復に減便。北海道新幹線の建設工事に伴う夜間作業が青函トンネル内で始まることから、2015年3月に定期列車としての運転を終えた。


関連記事:『千と千尋の神隠し』モデルと言われる宿が話題 人気の秘密を旅館に直撃

■インバウンド向けホステルに再生

sirabee161206hokutosei2
(画像出典:JR東日本WEBサイト

「Train Hostel 北斗星」は、訪日外国人旅行者向けの新たな宿泊施設として、JR東日本系の不動産デベロッパー「東日本ジェイアール都市開発」(渋谷区)が計画。宿泊費を抑えた客室を提供することで、長期間、気軽に滞在してもらいたい考えだ。

施設内には、「旅の道中が楽しくなるホステル」(同社)を目指し、北斗星に使われていた客車から取り外した2段ベッドや個室寝台に備わっていたパーツの一部を再利用。食堂車を再現したラウンジや大型スーツケースの置き場なども設け「限られたスペースで細部にまでこだわった寝台列車の空間」(同)を提用意したという。

宿泊客をもてなすスタッフは、全員が英語での案内が可能。無料のWi-FiやWEBサイトの多言語化などでも、外国人旅行者に対応する。

宿泊料金は、1泊=2,500円。外国人に限らず利用できる。

・あわせて読みたい→「インバウンド」「激安」ラブホ戦国時代 東京五輪も視野に

(文/しらべぇ編集部・前田昌宏

ホテル
シェア ツイート 送る アプリで読む

編集部おすすめ


人気記事ランキング