バスごとフェリーで瀬戸内海へ 珍経路の高速バス「別府ゆけむり号」廃止へ

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フェリーを活用する短絡ルートで広島県と大分県を結んでいた高速バス「別府ゆけむり号」が来年1月9日を最後に運行を休止し、事実上廃止になる。


 

■フェリーの活用でショートカット

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(画像はスオーナダフェリーWEBサイトのスクリーンショット)

ゆけむり号は、広交観光(広島県)と大分交通(大分県)が共同で運行する高速バス。運行区間は広島バスセンター(広島市中区)竹町(大分市)または大分駅前(同)で、1日1往復。途中、徳山(山口県周南市)や温泉地として名高い別府(大分県)にも立ち寄る。

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起点から終点までの所要時間は約6時間。途中、徳山港と竹田津港(大分県)の間は両港を結ぶ航路「スオーナダフェリー」に客を乗せたバスをそのまま積み込む珍しい運行形態をとってきた。

とりわけ九州内で高速道路の整備が遅れている広島と大分の両都市間を陸路で運行するよりも早いというが、2時間半ほどで済む新幹線と在来線特急の乗り継ぎルートには所要時間で大きく水を空けられている。また高速道路の整備が次第に進んだこともあり、客数が伸び悩み休止を決めた模様だ。


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■船旅は格別。しかし…

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1カ月後の休止を控えた12月上旬、広島を発車したバスの車内に客数は5人。ゆけむり号のラッピングを施したバスはかなりの古さで、車体には傷やへこみが見られるほかシートのバネが抜けかけているのか、座り心地も快適とはいえない。出入り口のドアも最近の主流で密閉度が高いプラグドアではなく一般の路線バスでもよく見られる折り戸。走行音が車内に響くところも気になった。

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とはいえ、徳山港からバスごとフェリーへ乗り込み船内へ入ると旅気分が盛り上がる。椅子席またはカーペットが敷かれた升席の利用も自由だ。当日は天候に恵まれたことから、遊歩甲板で潮風に吹かれながら、行き交う船や大津島(山口県)、姫島(大分県)の景色も楽しめた。

フェリーが大分県側の港・竹田津へ着岸する直前に車内へ戻り、バスは再び陸路へ。別府に近づくと、乗務員が客の一人一人から宿泊予定の宿を聞き取って路線バスへの乗換案内を行うなど観光路線にふさわしいサービスもあった。

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もともと少なかった客のほとんどが別府市内で下車したことから、大分駅に近い終点・竹町まで乗り通したのは1人。乗務員は「客はいつも少ない。なくなるのは仕方ないが、(船にも乗れて)乗務するのが楽しみな路線だった」と残念がっていた。

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(文/しらべぇ編集部・前田昌宏


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