「魚氷漬けリンク」で炎上 スペースワールドが来年閉園へ

2016/12/17 10:00


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(画像はスペースワールド公式サイトのスクリーンショット)

福岡県のテーマパーク『スペースワールド』が、2017年12月に閉園する。

スペースワールドといえば、本物の魚を氷漬けにしたスケートリンクが問題になったあの施設だ。閉園の理由は明らかにされていない。さらにスペースワールドの公式サイトは、16日17時の時点でアクセスが困難になっている。

これに対し、さっそくTwitter民が反応した。



■閉園を惜しむ声

Twitterでは早々に「#スペースワールド閉園」というハッシュタグが立ち、この話題について様々な人が触れている。

https://twitter.com/leisuredwoman/status/809658465811476481?lang=ja

https://twitter.com/salanimal16/status/809675342650609664?lang=ja

魚氷漬け事件では大いに叩かれたが、それでもスペースワールド閉園を悲しむ声がネット上では圧倒的多数。

報道では、この施設の閉鎖の理由は「経営難」と見られている。それに先日の炎上騒動が追い打ちをかけた、というのが大半の見方だ。


スペースワールドは、八幡製鐵所の遊休地を利用して建設された施設である。八幡製鐵所といえば日清戦争の際に獲得した賠償金を財源に設けられた生産工場として有名だが、拠点の統合集約により広大な遊休地が発生。

1990年に開業したスペースワールドは、毎年のように大型アトラクションを導入する施設として全国的にも名を馳せた。ところが、そうしたことが経営を圧迫、2005年に民事再生手続きを開始する。

その際に資本金20億円がすべて減資となり、代わりに北海道のリゾート会社から1,000万円が出資された。そこからアトラクション新設に頼らない経営が施されるようになり、下降していた入場者数も少しずつ回復していた、のだが…。


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■家族向けの企画を打ち出すも…

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(画像はスペースワールド公式サイトのスクリーンショット)

民事再生法申請前は、ジェットコースターやフリーフォール型アトラクションで知られていたスペースワールド。だが最近では、カピバラと触れ合うことのできる『カピバランド』や家族で楽しめる食材イベントなどに力を入れていた。

今現在も、「ズワイ蟹祭り」というイベントが催されている。経営方針が全世代志向になったことで、一時は離れていた客も徐々に戻ってくるようになったという。

だが、先述のように「スケートリンク魚氷漬け事件」が発生。これによりファミリー客の心が離れ、年間入場者数増加が望めなくなったと見られている。

スペースワールドの所在する北九州市と土地の所有者である新日鉄住金は、すでに今後の土地の利用方法を検討しているそうだ。


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■不祥事が命取りに

このように、「何かしらの不祥事がきっかけで閉園になった」というテーマパークは他にも存在する。

一例が大坂府吹田市にあった『エキスポランド』だ。もともと経理が不明瞭として知られていたこの施設、2007年にジェットコースター事故を発生させてしまう。女性1名が死亡し、その安全管理の不備が問われた。

結局、これをきっかけにエキスポランドは大幅に入場者数を減らしてしまい、また総額16億円という負債も相成り2009年に閉園した。

スペースワールドの場合は死亡事故を発生させたわけではないとはいえ、一般大衆の感情を悪化させてしまったことに変わりはない。アミューズメント施設にとって、ひとつの不祥事が致命傷になってしまうということを証明する出来事でもある。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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