「前の車がノロマすぎ」待ち切れず発砲→乗っていた3歳男児が死亡

2016/12/20 10:00


(cyano66/iStock/Thinkstock)
(cyano66/iStock/Thinkstock)

アメリカでは、常に撃の危険を考慮しなければならないようだ。

米南部アーカンソー州リトルロックで、恐るべき事件が発生した。信号待ちの車のドライバーが、「前の車の発進が遅すぎる」という理由でその車両を銃撃したのだ。結果、何の罪もない3歳の男の子が命を落とした。

被害者と加害者の間には、もちろん面識はない。「早く車を動かせ、この野郎」がこの事件の唯一の動機であるらしい。



■犯人は未だ逃亡中

今月17日、その悲劇は唐突に起きる。

赤信号で停車していた女性の車に、後続車両のドライバーが詰め寄った。日本でも、そういうことはなくはない。乱暴で非常識なドライバーは、全国どこにでも存在する。

だが、アメリカは「銃の国」。あらゆるきっかけが発砲事件に直結する危険な側面を持っているのだ。

前方車両に発砲し、3歳児を殺害した男は今も逃亡中である。犯人には2万ドル(約230万円)の懸賞金がかけられているが、問題はそのような性格の人物でも簡単に銃を所持できる点だ。


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■銃が身近にある環境

一方、米非営利団体の『サンディフック・プロミス』がこのようなショートドラマをYouTubeで公開した。

このドラマの主人公は、エヴァンという高校生の少年。どこにでもいるような、ごく普通の学生だ。

そんな彼がある日、図書室の机の落書きから「名無しの人物」と交流を持つ。そして学期末の交換アルバム会で、今まで顔と名前が分からなかった交流相手が判明。タンクトップの可憐な女の子だ。エヴァンは照れつつも、女の子と会話を始める。

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(画像はYouTubeのスクリーンショット)

だが、そんなシナリオは本当は視聴者を欺くブラフに過ぎない。映像をよく見ると、画面の隅でいつもひとりぼっちの少年がいて、最終シーンでその少年が凶行に及ぶシナリオになっている。

エヴァンの穏やかな日常は、こうして打ち砕かれた。

日本ならばせいぜい殴り合いで済むことが、アメリカでは銃による命のやり取りになってしまう。それこそがこの国の暗部とも言える。


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■クリスマスが近づくと…

また、クリスマスが近づくとそれに向けた小売商戦が活発になるのはアメリカも同じだが、クリスマスプレゼントに銃を贈る人も少なくない。

Twitterで「#gungifts」と検索すると、本気か冗談か判断しかねる画像がたくさん出てくる。この時期に向けて銃やその付属品を安売りしようという動きも目立つ。

やはり、アメリカと銃は切っても切り離せない関係のようだ。

全米ライフル協会などの団体は「善良な市民の銃が悪人の銃を駆逐する」と主張。だがそれは、一般市民の大半がA級スナイパーかシティーハンターでなければ達成できないことだろう。

そして、悪人が正規のプロセスを経て堂々と銃を購入しているという現実もある。

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取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

犯罪アメリカ取材
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