残業をなくせば「日本の質」が下がる?経営者の意見に非難殺到

残業
(OtmarW/iStock/Thinkstock)

社会人として働くうえで避けて通れない「残業」問題。ブラック企業という言葉が認知されてからというもの、残業に対しては否定的な意見が相次いでいる。

そんななか、とある経営者の残業に対する考え方が話題を呼んでいる。



 

■「残業がイヤなら辞めればいいしバイトをすれば良い」

19日放送の『好きか嫌いか言う時間 3時間SP』(TBS系)。番組内では日本と外国の残業時間や考え方を比較したうえで日本人の残業問題について討論する一幕が。

その中で、代表取締役社長の濱野氏は「残業をやめれば日本製の質が下がる」という持論を主張。日本のサービスで世界に通用する「飲食」「物流」などは残業によって支えられているとのこと。

外国の意見を聞いていては企業が潰れてしまうとし、自身が経営をしている経験から、外国人の意見は「考え方が二流」と発言。

「消費者のわがままに応えたい」「『自分の会社で頑張ろう』という人たちが応えてきたから残業で残っている人も大半いる」と続けた。

この発言にスタジオからは「消費者は望んでいない」という声も。

また、出演していた弁護士・住田裕子からは「過労死の原因はまさにああいう経営者がいるから」「お客さんのすべてのニーズに応えようとするから、少ない人員で過労する」と批判した。

それに対して濱野氏は「じゃあ辞めればいいし、バイトすればいいじゃないですか」と反論。

「強者の発想」「日本の貧困層を知っているのか」とスタジオからは批判の声があがるが、濱野氏は負けずに「浅はかなかわいそうが日本をダメにしている」と持論を展開した。


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■残業が良いことのはずがない

この一連の濱野氏の発言を受け、ネット民からは残業を管理できないのは経営者として失格とするものや、残業という言葉の認識についてなど、濱野氏について批判的な意見が見られる。


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■「残業が悪い」という風潮は良くない?

しかし、一方で濱野氏に賛成する意見もあがった。残業を悪いことと考えすぎる風潮についてや、会社を経営する立場について同情する声も。


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■3割が「サービス残業は仕方ない」

なかには残業代の発生しない「サービス残業」が常態化している企業もあり、苦しめられている人もいるだろう。

しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1,387名に「サービス残業」について調査したところ、全体の3割が「仕方ない」と回答している。

残業年代

やはり、残業するが当たり前という風潮自体に問題があるのかもしれない。


議論を生む残業問題。さまざまな問題が浮き彫りになり、よりいっそう表面化するだろう。残業だけでなく労働に対する考え方もひとりひとりが深刻に考えなくてはならない。

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(文/しらべぇ編集部・シマウマ姉さん

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2016年10月21日~2016年10月24日
対象:全国20代~60代の男女1,387名(有効回答数)

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