契約費用だけで80万円も 参加者に聞いた起業セミナーの実態
「お金持ちになりたい」「人より目立ちたい」「誰かを見返してもてたい」と考える人の中には、一攫千金を狙える起業に興味を持つ人たちがいる。
もちろん、世の中を変えたいや自分で仕事をしていきたいというきっかけの方も多い。
そんな場合は、自分が持っているスキルや人脈を活かしたり、アイデア次第では投資を受けたりということも。
ただそんな希望に満ち溢れた人たちとは異なり、漠然と「起業したい」と思う人に対して、「起業セミナー」と題して講義が行われているケースも。
これらはセミナーの参加費用に対して、実のあるものもあれば、とんでもないものもあるというが、実態はどんなものなのだろうか。
しらべぇ取材班では、実際に「起業セミナーに参加したことがある」という人に話を聞くことができた。
■不労所得や起業という言葉の甘いワナ
「『不労所得で月30万円の収益』というキーワードにひかれて、 起業セミナーと題したものに参加してきました。
プレゼンのうまい方が2時間ほど考え方や苦労話をお話しされていましたが、本当に引き込まれそうになるほどでしたね。最後に提案を受けたのですが、『月30万円の収益を積むためには、月1万円の本サービスを販売してください』と。
ただ粗利は1件販売しても1,000円程度。300件は販売しなければいけない計算です。おまけに、販売するための契約費用も発生し、なんと80万円もするんです。そんな内容なのに、その場で契約している方もいました。個人の選択は自由ですが、どう考えても元が取れるように思えないです」
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■参加後もしつこい連絡が…
「その後、私は契約せずに帰ってきたのですが、電話やメールでしつこくセールスがきました。
きっぱり断ったのですが、数ヶ月後にはまた電話が掛かってきたりということもありました。メールに至っては、10日間で4回。ただ文章の書き方は、『これを契約しないと人生損なのでは…』と思えてくる内容です。
拒否設定したのでもう受けることはありませんが、冷静に本当に自分にとって有益かどうかをしっかり考えるべきですね」(30代・男性)
上記はあくまで、ほんの一例にすぎない。起業セミナーという言葉を聞くと、つい自分も一攫千金を狙えて成功者になれるのでは…と思ってしまう人もいるかもしれないが、実態はそこまで甘くはない。
起業してから10年後に残っている会社は、10%にも満たないと言われており、冷静な視点で考えることが賢明だ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・松岡佑季)