さすがテキサス!74歳のお婆さんが拳銃で強盗を撃退
アメリカという国は、地域によってその特色が大きく異なる。
マンハッタンとシリコンバレーでは、景色も文化もまったく違う。日本でもそうだが、アメリカ国内には「同じ国の異文化」がいくつも存在する。だからこそ「合衆国」なのだ。
そんなアメリカの中でも、とくに異彩を放つのがテキサス州である。
■テキサスの女は最強!
テキサス州は「ガンマンの国」だ。州民の心の中には、かつてメキシコの独裁者の支配から独立し、アメリカ合衆国に参加したという強い自負がある。
だから、銃で武装することに誇りを持っている。犯罪者は警察ではなく一般市民が駆逐するべき、という発想だ。
そんなテキサス州で最近、このような事件が発生した。銃を持った侵入者を、74歳の女性が追い払ったというもの。
その家の住人リビー・ロバーソンは、ごくごく普通の老婆。その日、リビーは室内で休んでいたところを、武装した犯人に銃を突きつけられたという。だが隙を見て近くにあったテーブルから38口径の拳銃を取り出し、逆に相手を制止した。
逃げ出した犯人に向け、リビーは発砲。この弾は当たらなかったようだが、犯人は尻尾を巻いて逃走してしまった。
まさにテキサスらしい事件と言える。
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■遠のく銃規制
後日、ABCニュースのインタビューに応じたリビーは、拳銃を構えながらソファーに座り自らの「武勇伝」を堂々と語った。
テキサス州は、銃規制緩和論が力を持っている地域のひとつ。去年は拳銃を露出した状態で携帯できる「オープンキャリー」が認められるようになり、しかも今年からは共和党が連邦議会の与党になる。銃規制強化はさらに遠のいていくだろう。
また、全米ライフル協会の存在も忘れてはいけない。アメリカの銃規制議論が進まないのは、全米ライフル協会が政治家たちに圧力をかけているという背景も。
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■テキサスは未だに「戦国時代」
黒澤明がメガホンを取った『七人の侍』という映画がある。
これは世界中の映画関係者に多大な影響を与えた作品だ。ハリウッドも正式にパテントを購入し、『荒野の七人』という映画を作った。
この両者は、国と時代設定を変えただけでプロットはそのままである。だが、違和感はまったくない。それは日本の戦国時代とアメリカの西部開拓時代は、気風が極めて似ているということだ。
だが、日本の場合は江戸時代という区分が存在し、それによって戦国の気風は中和された。アメリカはそうしたことが未だ起こっていない、ということだ。
(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)