東京女子医大が2歳男児に投与したのは「MJの命を奪ったのと同じ薬」だった
2014年2月、東京女子医大病院で、首の腫瘍の手術を受けた男の子(当時2歳)が、集中治療室にて、長時間にわたり鎮静剤「プロポフォール」を投与され、死亡したという医療事故。
亡くなった男の子の両親は、手術の執刀医と主治医の2人に、損害賠償を求め提訴。さらに14日、新たに鎮静薬投与に関わった医師・看護師4人にも1億8,000万円の賠償を求め提訴したことが報道された。
ネット上では、この痛ましい医療事故で使われた「プロポフォール」という鎮静薬が、かつてあの「キング・オブ・ポップ」の命をも奪った薬と同じものだったことに気づいた人たちが。
■マイケル・ジャクソンを死に追いやった薬
2009年3月、50回におよぶワールドツアー『THIS IS IT』の開催を発表し、公演日を目前にしたある日、突然にこの世を去った、マイケル・ジャクソン。
彼の死因について、2009年8月にロサンゼルス郡検死局は、「急性プロポフォール中毒」と発表している。つまり、マイケルの命を奪った薬と同じものが、2歳の男の子に大量に投与されたというわけだ。
プロポフォールってなんか聞き覚えあったらマイケル・ジャクソンの…
— あざみさん (@AZMmlt) February 14, 2017
https://twitter.com/shima_mono/status/831502302468923392
プロポフォール?
マイケル・ジャクソン氏の死で出てきたやつ?
#tvasahi #報道ステーション #報ステ #報ST— 結乃誓 (@chika_tsuguno1) February 14, 2017
世界的大スターを死に追いやった薬として、聞き覚えのあった人も少なくなかったようだ。
プロポフォールは、脳の受容体に働きかけて無意識状態をつくりだすのと同時に、ドーパミンの分泌を促すため、コカイン等と同じような快楽を得られると言われる。
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■現役内科医に聞いた
しらべぇ取材班が、現役内科医の青木マダガスカル先生に聞いたところ…
青木医師:プロポフォールには鎮静作用があり、全身麻酔の導入や維持に使われます。販売されている製剤は白い液体で、静脈から投与されます。
具体的には、投与後まもなく意識がなくなったところで気管挿管を行い、人工呼吸を開始するような使い方が一般的です。呼吸抑制、血圧低下作用があるので、それらに対処できるよう準備したうえで、習熟した医師が使用することになっています。
成人においては、集中治療室における持続的な鎮静目的でも広く使用されています。しかし、小児の場合は事情が違っていて、長期の大量使用は「プロポフォール注入症候群」という命に関わる病態を発症することがあるので、この目的では「使用禁忌」となっています。
二度と、このような痛ましい事故が起こらないことを願うばかりだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・もやこ 取材協力/青木マダガスカル医師)