インドネシアで「バレンタインデー禁止令」発布 学生が反対デモも

「脱バレンタインデー」の動きが東南アジアで

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2017/02/18 11:30

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(画像はYouTubeのスクリーンショット)

日本において「バレンタインデー」はすっかり定着した。

ただ、これは日本に限ったことではない。冷戦時代にアメリカの傘下にいた国は、大なり小なりアメリカの商業文化が入ってきている。よくよく考えたら、キリスト教徒が極めて少ない日本でクリスマスやバレンタインデーがメジャーイベントになるのは奇異な現象にも思える。

国民の大多数をイスラム教徒で占めるインドネシアも、同じ事情を抱えているのだ。



 

 

■インドネシアでもバレンタインデーが

日本とインドネシア。冷戦時代は西側に属し、波のようなアメリカ文化を全身で受け止めた国同士だ。

だからシルヴェスター・スタローンやアーノルド・シュワルツェネッガーの勇姿を映画館で観ているし、何十年も前からコカ・コーラを飲んでいる。ビートルズやエルヴィス・プレスリーの曲を大音響で流しても、秘密警察が家に踏み込んでくるということはなかった。

バレンタインデーに関しても、細かい作法の違いはあるとはいえ「恋人同士の愛を育む日」としてインドネシアで定着している。

ところが、それに対して行政から「待った」がかかった。


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■「バレンタインデー反対」の声

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(画像はYouTubeのスクリーンショット)

西ジャワ州は、首都であるジャカルタ特別州に隣接した自治体である。産業もあり、インドネシアの中では豊かな地域のひとつだ。

その西ジャワ州の教育セクションが、州内の学校に対して「バレンタインデー禁止令」なるものを通達した。

ひとことで言えば「バレンタインデーは風紀を乱すからやめろ」ということ。じつは現地の若者の間では、チョコレートやケーキなどのプレゼントと一緒にコンドームを渡す習慣があるという。

州当局は、それを問題視したのだ。

そして都市部では、バレンタインデーに反対する学生のデモ活動も発生。いかがわしい外来文化ではなく、誇り高い自国文化を尊重しようと呼びかける趣旨のデモである。


■追い詰められる「カップルの日」

これは結局、世界一のイスラム教人口を抱えているが故のことではあるが、じつは州当局もデモ隊も「イスラム教徒が優勢の国だからバレンタインデーはいらない」とは言っていない。

むしろこういう場合、行政側は「宗教は関係ない」と前置く。インドネシアは「国教」を制定していない。国民は全員何かしらの宗教の信者でなければならないという決まりはあるが、憲法上ではイスラム教徒もキリスト教徒も平等の権利を与えられている。

だから、「宗教上の戒律にそぐわないから」とは口が裂けても言えない。その代わりに「ポルノ指定」という手段を使う。LGBT関連の情報検閲問題でもそうだが、当局はこれから規制したいコンテンツをポルノと認定してしまうのだ。

もしかしたら、来年は全国規模の禁止令が出るのではとも囁かれている。


(文/しらべぇ編集部・しらべぇ編集部