マラソン大会で最下位の選手が見事優勝 珍しくない長距離走の「誤誘導」

2017/02/20 10:00

(tibor5/iStock/Thinkstock)
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岡山県のマラソン大会で「珍事」が発生した。

それは3km小学生の部でのこと。このプログラムの参加者263名のうち、じつに262名がショートカットしたコースを走ってしまったのだ。係員の誘導ミスによる事態である。

たった1名、最後尾を走っていた小学3年生の児童だけは正しい誘導があったため、コースを完走することができた。

だが、こうした例はマラソン大会において決して珍しくないという。



 

■2位以下は全員失格

2013年、イギリス国内の都市サンダーランドで行われたマラソン大会でも誤誘導による選手の大量失格が発生した。

これは1位の選手が集団から大差をつけて走っていたケース。この選手は終始正しいコースを走っていたのだが、問題は2位以下の選手だ。つまり2位が間違った順路を進んでしまったため、後続の全員がそれに続いたのである。

結局、この大会は1位の選手以外は全員失格という結末に終わった。


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■「世界記録樹立」でミス発覚

また、2007年に千葉県で行われた『千葉マリンマラソン』では、6,000名以上の参加者全員が誤誘導の「被害」に遭った。

これはハーフマラソンで、参加者は21kmの道のりを走る予定だった。だが終わってみれば、1位の選手が世界記録を大幅に更新していた。本来は喜ぶべき場面だが何かがおかしい。主催者が確認すると、係員がコーンを間違った位置に置いていたため参加者全員がコースをショートカットしてしまったのだ。

運営に対する非難が相次いだのは、言うまでもない。


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■競歩における誤誘導

また、競歩でもこのような誘導ミスが発生する。

2007年、大阪で開催された世界陸上でそれは起こった。男子50km競歩に出場した山﨑勇喜選手は残り5kmの時点で8位入賞圏内を争っていたが、係員のミスでショートカット。それを告げられた時には、もはや体力が残っていなかったのだ。精魂尽き果てた山﨑選手は倒れ込み、担架で運ばれた。

このように、長距離走競技における誘導の失敗例は探せば数多くある。係員が一度間違えてしまったら取り返しがつかないため、その被害が複数人に及ぶ場合が多いのだ。

だがそうはいっても、冒頭の岡山での大会のような「最下位選手が優勝」という例はやはり珍しい。表彰状を手にした男児にとっては、一生忘れられない思い出になるだろう。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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