今では考えられない!「喫煙シーン」がある特撮作品とは
こんにちは、モノブライトのベース、出口です。
日本たばこ産業(JT)は6日、無煙たばこ「プルームテック」の販売を今年6月から東京で開始すると発表しました。
同分野ではフィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の「iQOS(アイコス)」が先行しています。圧倒的ににおいが少なく無煙、加熱式なので火を使わない、など、これらは喫煙者にとって魅力的な要素であり、テレビ番組で取り上げられた効果もあって多くの喫煙者が加熱式たばこに切り替えています。
プルームテックはiQOSの大ヒットを受けての参入となるため、プルームテックがiQOSの牙城を切り崩すのか、まさに加熱式たばこの戦国時代到来と言えるでしょう。
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■「喫煙シーン」は自粛の傾向
最近、映像作品や漫画のキャラクターの喫煙シーンが自主規制されている場面がよく見られます。
「過度な自主規制だ!」と言うつもりは毛頭ありませんし、特に児童から学生が主な視聴層の作品であれば当然のことだと思います。たばこに加えて飲酒のシーンも自主規制対象されているとか。
しかし、過去にはたばこが大きな役割を果たし、印象的なアイテムとして使われる作品があるのです。そこで、「たばこにまつわる特撮作品」をご紹介しましょう。
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■たばこ、お酒を好む「不良な」ヒーロー
ヒーローは健全であるべき。このイメージは今も昔も、おそらく未来永劫変わりません。この不動のイメージを覆した特殊なヒーローが、鳥人戦隊ジェットマンのブラックコンドル・結城凱(ゆうきがい)です。
レッドを除き他の4人は偶然ヒーローの力を手に入れてしまった一般人。たばこ、酒、女、ギャンブルが好きないわゆる不良だった結城凱も偶然力を手にして(厳密には特殊なエネルギー浴びて)しまい、ジェットマンになることに。
結城凱の登場シーンは大人向けドラマ然としている画作りになっています。ことあるごとに喫煙していて、劇中ではリーダーのレッドホーク・天堂竜に「たばこやめろ」と何度も注意を受けているほど。
今では絶対に考えられないシーンですが、結城凱というキャラクターのアウトロー感を演出できる端的なモチーフがたばこなのです。
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■当時の風俗流行を再確認できる歴史的資料映像?
たばこを取り巻く環境は増税、分煙、禁煙などの流れでここ数年の流れから一気に変わりました。公共施設のすべては全面禁煙当たり前、喫煙所以外での喫煙は御法度です。
しかし、昭和期に作られた映像を見ると男性の喫煙率は今とは比べ物にならないほど高く、駅構内、電車、会社のデスク、その他あらゆる場所で喫煙している場面が見られます。
今で置き換えるとペットボトル飲料のように、自由に喫煙できた時代。昭和の特撮作品でも喫煙シーンは当然入ってきます。特に印象的なのは仮面ライダーシリーズの「おやっさん」こと立花藤兵衛(たちばなとうべえ)、ウルトラマンの「キャップ」ことムラマツ隊長でしょう。
どちらも小林昭二(こばやしあきじ)さんが演じられ、年長者らしくパイプをふかす所作は頼れる大人の存在感に説得力を与えています。喫煙は大人であれば当然である、というのがこの時代の常識。
その常識を利用し人類を絶滅させる実験を行った宇宙人がいます。それは、メトロン星人です。
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ウルトラセブン第8話「狙われた街」に登場したメトロン星人は、人間を凶暴化させる実をたばこに混入させ自販機に設置し、人間同士の信頼感を崩壊させて人類を自滅させようと目論みます。
作戦の陰湿さは群を抜いていて、武力以外では人類が滅亡する可能性が一番高いです。ここでメトロン星人がたばこを用いたのは、たばこが生活する上でなくてはならない嗜好品だったため。男性のほとんどが喫煙者だった時代特有の作戦と言えるのではないでしょうか。
時代特有で言えば、たばこの吸い殻の扱いも今とはまったく異なります。当たり前ですが、今は吸い殻のポイ捨てはまったくの非常識。とんだ大馬鹿野郎です。
しかし、帰ってきたウルトラマン・郷秀樹(ごうひでき)隊員は、海辺でたばこをポイっと捨てています(第16話、大怪鳥テロチルスの謎)。なんたることか。
時代を考えると、電車を待つホームでは吸い殻を線路に捨てる、映画館では足下に捨てる、待ち合わせ場所で待ちぼうけする足下に大量の吸い殻、なんていうシーンもよく見られました。
この時代ではポイ捨てはごく当たり前だったみたいですね。それにしても、ヒーローの喫煙、ポイ捨ては今では絶対に放送できない瞬間です。
言わずもがなですが、「喫煙は喫煙所! 吸い殻は灰皿に!」これが守れなければ、ヒーローにはなれないのです。
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(文/モノブライト・出口博之)