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16歳の高1男子が高1女子を殺害で逮捕 少年犯罪の現状について弁護士に聞いた

社会

女子校生

(DAJ/iStock/Thinkstock)

兵庫県警は1日、同県洲本市に住む16歳の男子高校生を殺人の疑いで逮捕した。昨年12月に同市内に住む16歳の女子高校生の首を圧迫し、死亡させた容疑だ。

 

■刑法犯少年は減少している

こうした痛ましい事件が起きたとき、しばしば議論に上がるのが、「少年犯罪の増加や凶悪化」だ。しかし、警察庁の発表によれば、少年犯罪は減少の一途をたどっている。

少年犯罪

2006年に11万人を超えていた刑法犯少年の数は、2015年段階で4万人を下回った。刑法犯の総検挙数における少年の割合も、2015年では16.3%まで減少している。

悲劇的な事件であることは疑いがないが、「16歳」という年齢に注目しすぎると、判断を誤る恐れもある。

 

■少年犯罪の現況について弁護士に聞いた

さらにしらべぇ編集部は、今回の事件の展開や少年犯罪の現状について、レイ法律事務所に所属する高橋知典弁護士に話を聞いた。

高橋知典弁護士

 

高橋弁護士:確かに、少年犯罪が減少していることは、統計上も明らかです。また、社会の耳目を引くような重大な少年犯罪が発生していることは事実ですが、その件数は、やはり減少傾向にあります。

 

こうした状況にも関わらず、こういった事件が起きた後には、少年に対する厳罰化を求める声がしばし聞こえます。しかし実際には、法が特に少年を甘やかしているというわけではありません。

 

というのも、少年が罪を犯した場合、基本的には少年法により更生を目指した保護処分(少年院送致・保護観察)を受けることになりますし、重大な犯罪の場合、本件のような16歳の少年であっても、成人と同様に刑事裁判を受け、刑罰を受ける可能性があるからです。

 

無理心中ということになりますと、そのとおりの事実が認められれば、殺人罪が成立するということになります。少年は逮捕されているようですので、今後、検察官に送致されて、勾留(通常10日間~2o日間の身柄拘束)ということになる可能性が高いと思われます。

 

その後は、家庭裁判所に送致され、少年審判を受けることになります。そして、少年法では、少年が罪を犯したとき16歳以上で、故意の犯罪行為により被害者を死亡させるものである場合(つまり殺人罪や傷害致死罪などの場合)、原則として少年を検察官に送致し、刑事裁判を受けさせるということになっています。

 

ただし、情状によっては、少年審判で少年院送致や保護観察等の保護処分が出される場合もあります。 刑事裁判となった場合、殺人罪ですから、裁判員裁判ということになります。そして、ここでも殺人罪が認められるということになった場合には、刑罰(懲役刑)が宣告されることになります。

 

この裁判で、裁判員と裁判官が保護処分が相当であると判断した場合には、再び家裁に送致されることもあります。そうなった場合、もう一度少年審判を受け、保護処分(多くは少年院送致)が出されるのが普通です。 このように、16歳の少年であっても、殺人罪を犯したと認められれば、成人同様に刑事裁判を受け、刑罰(懲役刑)を受けるのが原則となっています。

 

ただし、具体的にどのような行為をしたのか、その動機は何なのか、どういった環境で生活していたのかなどといった情状は、事件によって千差万別ですから、刑事裁判によらずに保護処分によって少年の更生を図る道も用意されているのです。

 

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト 取材協力/レイ法律事務所高橋知典弁護士

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