米で今も主流のヤード・ポンド法 日本での定着度はどれくらい?
アメリカでは、今もメートル法よりヤード・ポンド法が主流である。
日本はメートル条約加盟が比較的早かった。1885年に22番メートル原器を配布されて以降、日本政府は巷でのメートル法普及に努力を傾けた。今では誰しもがメートル法を基準にしているが、アメリカやイギリスではまた事情が違うようだ。
そもそも、この両国は日本よりも保守的な面がある。メートル法に反対する市民団体もあるほどで、そのため津波到達を知らせる警報などもメートルではなくフィートで表示される。
今後もヤード・ポンド法が廃れることはないだろう。
■ヤード・ポンド法に換算できる?
では、このヤード・ポンド法が日本ではどれだけ定着しているのか?
しらべぇ編集部では全国の男女1363名を対象に「メートル法を即座にヤード・ポンド法に換算できるか?」という調査を取った。
結果、「換算できる」と答えたのは全体の11.7%。やはり、決して多い数字ではない。
メートル・キログラムをヤード・ポンドに換算すると、どうしても細かい数字になる。そうした煩わしさもあるのだろう。そして、そもそもヤード・ポンド法は日本ではあまり使用されていない。
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■米西海岸のエンジニアも…
だが、両単位への即時換算は非常に重要なものだ。
たとえば、クラウドファンディングに出展される製品は時折ヤード・ポンド法のみの表記で説明紹介されている。この新型モビリティーの最高時速は25マイル、というように。
『Indiegogo』にしろ『Kickstarter』にしろ、アメリカ西海岸のエンジニアがよく利用するからメートル法よりもヤード・ポンド法のほうが存在感が強いのだ。だが、そうなると日本のユーザーにはいまいち伝わりづらい場合もある。
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あなたの体重は何kg?
さらに、アメリカのスポーツ界も基本はヤード・ポンド法表記。
格闘技選手の身長はフィートとインチ、体重はポンドで表されているから、日本人から見れば「彼が何kgか分からない」という事態になってしまう。
アメリカから輸入した運動器具も例外ではない。バーベルやダンベルなど、その重さがポンドで書かれている商品もある。ただこれは、アメリカ人から見れば逆に「1kgが何ポンドなのかピンとこない」ということ。単位の国際共通化は、じつは21世紀になっても完全には進んでいない。
そういうことがある以上、メートルからヤードへ瞬時に換算できる能力もひとつのスキルなのだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)