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現実世界での「ムシキング」に法規制か 外来クワガタ輸入禁止へ

社会

(SmileKorn/iStock/Thinkstock)

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十数年ほど前、『甲虫王者ムシキング』というゲームがブームになった。

これは世界各国のカブトムシやクワガタを戦わせる趣旨のゲームで、全国の少年たちがゲームセンターに大挙した。またこのブームに合わせ、本物の外国産甲虫がホームセンターなどで売られるようになった。

だが、ゲームと現実は違う。日本に存在しなかったはずの甲虫を販売する行為は、一歩間違えれば外来種を日本独自の生態系に放してしまう可能性がある。

これに対し、国が動き出した。

 

■外来クワガタ入国禁止

環境省は今年に入り、外来のマルバネクワガタ属約10種の輸入規制を発表した。

もっとも、今現在の時点ではまだ検討段階だが、長らく問題視されてきた外国種の甲虫を「特定外来生物」に指定する目処が立ったのだ。

マルバネクワガタ属の甲虫は、沖縄県島嶼部にも生息している。それらはヨナグニマルバネクワガタ、ヤエヤママルバネクワガタなどに独自進化しているが、それが故に外来種の野生化は深刻な問題である。

Twitterでも、外来クワガタの野生化を心配する声が。

国産種が外来種に駆逐されてしまうのは、よくある現象だ。日本が江戸から明治に移行する時代、ヨーロッパから外来生物が入り生態系が大きく変わってしまったと言われているが、現代でもそうしたことは起こりつつあるのだ。

 

■北海道とカブトムシ

また、甲虫そのものが「外来種」と見なされる地域もある。

あまり知られていないが、北海道では数十年前までカブトムシ自体が存在しない生物だった。それが本州から持ち込まれ、すでに野生化している。

いわゆる「国内外来種」であるが、我が国日本の国土は亜寒帯から亜熱帯にかけて南北に大きく広がっている。北海道と沖縄の生態系がまったく異なるのは、むしろ当然だ。そのため、生態系の管理が極めて難しいという事情も抱えている。

 

■国内種の危機

こうしたこともあり、今年の夏からは甲虫の販売が大きく縮小される可能性がある。ホームセンターなどで生きたカブトムシやクワガタを売買する場面は、もう見られなくなるかもしれない。

だが考えてみれば、日本在住の子供が外来種の巨大なクワガタを持っていること自体が異常だったのではないか。昆虫の専門家が飼育するのならともかく、生態系に関する知識のない子供が「リアルムシキング」に臨むのは非常に危険である。

数十年後、我々の知っている姿形のカブトムシが、図鑑の中だけの昆虫になっていなければいいのだが。

・合わせて読みたい→あるある? 「これ、カブトムシの味がする」というフレーズの浸透度を調査

(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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