名探偵ではないけれど…電動スケボーに乗って爆走する人が急増中

2017/03/20 10:00


(molchanovdmitry/iStock/Thnkstock)
(molchanovdmitry/iStock/Thinkstock)

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は、日本でも大ヒットした作品である。

マイケル・J・フォックスが演じる主人公のマーフィは、エレキギターが得意なカリフォルニア州在住の高校生。挑発されるとすぐに逆上してしまうのが欠点だが、それ以外はごく普通の少年だ。

そんなマーフィには、もうひとつの特技がある。それはスケートボード。作中でも軽やかにスケボーを乗り回しているシーンがある。しかもその特技のお陰で、ピンチを脱したこともあった。

つまりアメリカでは、この頃から「スケボーは移動手段」という位置づけだったのだ。



■レビュー動画が続々と

そんな西海岸では、最近電動スケボーが大流行している。

公道における電動スケボーの走行が解禁されたこともあり、街中を颯爽と駆け抜けるボーダーが急増しているという。スマートフォンの進化はバッテリーの高性能化をもたらしたが、それがモビリティー部門の製品にも転用されているのだ。

YouTubeには、電動スケボーのレビュー動画が続々とアップされている。中でもスケートボーダーFabian Doerig氏は、新製品の試験走行を頻繁に行っているようだ。

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(画像はYouTubeのスクリーンショット)

動画を見ると、Doerig氏を乗せたいずれの製品も信じられないスピードで走っていることが分かる。現代の電気モーターとバッテリーは、ここまでのパワーを有している証明だ。


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■電池の発煙トラブルも

だが、良いことばかりでもないようだ。

去年は人気製品のBoosted Boardのバッテリーが、走行中に発煙するトラブルがあった。このBoosted Boardは2,000Wの出力を持ち、最高時速が22マイル(約35km)という高性能スケボーだ。すでにAmazonでも販売されている。

しかしそうは言っても、搭載しているのはリチウムイオン電池。高レベルの電圧制御を必要とするため、粗悪品はすぐに故障する。

だからこそ、我が国日本ではリチウムイオン電池に対して厳しい審査基準を設けている。経済産業省が定めるPSEマークのないリチウムイオン電池は、流通が認められていないのだ。


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■時代に逆行?

また、やはり電動スケボーには事故の危険性がつきまとう。

そもそも、遊戯用としてならともかく、移動手段としての電動スケボーは時代に逆行しているとも言える。なぜなら、衝突事故回避のモニタリングシステムやセンサーなどが自動車に標準装備されている今、電動スケボーはそれらの一切を省いた廉価的なモビリティと見ることができるからだ。

「コナンのスケボー」が現実の日本を走り回ることは、残念ながらまずないだろう。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

取材スケートボード道交法
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