外務省が海外安全対策活動にまさかの「ゴルゴ13」起用

2017/03/26 06:30


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(画像は外務省海外安全ホームページのスクリーンショット)

ゴルゴ13。この男の顔と名前を知らない人は、恐らく少数派だろう。

デューク東郷と名乗るこの男は、数々の神がかり的な狙撃を果たした人物。1km先のフットボールを撃ち抜くようなクレイジーな業も可能にし、世界各国の政府から恐れられている。

ゴルゴに狙われた者は、まず間違いなく命を落とす。彼はまさに世界最高のスナイパーなのだ。

そんな男に対し、外務省がついに声をかけたようだ。



■劇画連載で安全対策を啓蒙

この度、外務省はゴルゴに対して「在外邦人への安全対策の指南」を依頼。

近年、テロ事件は増加傾向だ。しかも中東や北アフリカだけではなく、先進国も含めたアメリカ、ヨーロッパ、そしてアジア地域で頻発している。その上、今やテロリストの目標は一般市民、いわゆるソフトターゲットに焦点が移った。在外駐在員や彼らの集まるオフィスは、テロリストにとって絶好の標的なのだ。

実際にテロが発生したら、何をすべきか。また、それに備えてどのような行動を心がけるべきか。

ゴルゴ13が全13回に渡る連載形式で、各国在住の日本人を指導していくという。


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■ゴルゴは「テロリスト」だが…

連載第1回は、すでに外務省海外安全ホームページで配信されている。

東京の外務省本庁に赴くゴルゴ。待っていたのは外務大臣の高倉だ。ゴルゴが「用件を聞こうか」と切り出すと、高倉は妙に説明くさい台詞で在外邦人の置かれている状況を説明。その中でどういうわけか、最新の海外安全情報をメールで受け取れる『たびレジ』について語る。

そして高倉は、在外邦人とくに中小企業関係者のための安全対策について、ゴルゴの力を借りたいとつなげた。

だがよく考えれば、ゴルゴ13はスナイパー。思想的は背景はないとは言え、彼が世界を敵に回していることに違いはない。もちろん日本政府が秘密裏にゴルゴに呼ぶこともあるだろうが、隠すことなく堂々と外務省に呼び出すのは非常に危険だ。

もしもトランプ政権下のアメリカがこれを知れば、日米同盟に大きな亀裂が入るだろう。


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■日本人はゴルゴを愛する

ところが、日本の省庁はしばしばゴルゴの力を借りている。

たとえば、数年前に厚生労働省が危険ドラッグ撲滅運動にゴルゴを投入した。当時はまだ「脱法ドラッグ」と呼称していたが、当時社会問題になっていた危険ドラッグ蔓延を阻止するためA級スナイパーの腕、というより迫力ある顔を借りたのだ。

また、自衛隊岩手協力本部は自衛官募集のポスターにゴルゴ13を採用。世界でも極めて異例の「スナイパーを国防組織の広報に使う」という手段に打って出た。繰り返すが、アメリカやロシアがこの事態を知れば決して黙ってはいないだろう。

だが言い換えれば、それだけ日本人はゴルゴ13を愛しているということだ。省庁だけでなく、民間でも牛乳や印鑑の販売事業などでゴルゴが宣伝に一役買っている。

世界が恐れるスナイパーは、どんな業界にも対応できる万能セールスマンでもあるのだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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