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事故現場で女性にAEDを使用した男性が「痴漢」扱い 命の現場に警鐘

救急隊が到着するまで「待つ」では助からない!「一刻を争う」命の現場に遭遇した際の正しい対処法も解説。

社会

事故現場

(Chalabala/iStock/Thinkstock)

「一分一秒を争う」と言われる命の現場。

救急車が到着するまでの間、傷病者の容体によっては「救命措置」が求められるのだが、「女性の傷病者に男性が措置を行う」場合について、あるツイッターユーザーの投稿が波紋を広げている。

 

■女性にAEDを使用した男性が「痴漢扱い」

数年前に書き込まれた「交通事故現場に遭遇した際の出来事」が記された投稿を、あるツイッターユーザーがツイッターに投稿。その衝撃的な内容にネットが揺れている。

たまたま交通事故の現場に遭遇した男性。運転手の男性は軽傷だったものの、助手席の女性が危険な状態であったため、人工呼吸と心肺蘇生法を行った後、救急と警察への通報とAEDの調達の指示を周囲に出した。

間もなくしてAEDが届けられ、付属のハサミで衣服を切ろうとすると、運転手が「なんで服切るんですか! やめろ! 痴漢だ!」などと騒ぎ、男性の腕にしがみついた。

 

■男性は適切に対応したが…

男性は、「一刻を争う事態だ」と説明したが聞き入れられなかったため、無理やり腕を解き、女性の衣服を切りAEDを装着。間もなくして救急・警察が到着し女性は病院へ搬送された。

男性が事故について警察から事情聴取を受けていると、別の警察が到着。なんでも、運転手が男性を「痴漢」だと通報したというのだ。

その場ですぐに男性の容疑は晴らされ、素早い措置のおかげで女性も一命を取り留めたものの「後味が悪かった」と投稿を締めくくっている。

 

■「とんだ災難」に戸惑うネット民

救命措置を行おうとした人を「痴漢だ」と通報する人が存在するという事実に、ネットでは戸惑いの声も見られる。

中には「救急隊が来るまで待っているのが得策」や「女性の救助は戸惑う」などという投稿も。

あまりにも「理不尽だ」という声が後を絶たない。

 

■素早い措置が傷病者の生死を分ける

「心肺停止」などの状態に陥ってしまった人への素早い措置が、その後の生存率にどう影響するのか。

しらべぇ編集部は、「上級救命技能認定」の資格を有する「赤十字救急法救急員」であり、養護教諭として働くKさんに取材を行なった。

――救急車が到着するまでに行う心肺蘇生などの措置は重要?

Kさん「循環サインが見られない、突然の『心肺停止』は多くの場合、心室細動という不整脈が原因と言われていて、AEDによる電気的除細動(電気ショック)が最も有効です。

 

除細動の効果には時間の経過が大きく影響するので、できるだけ早く除細動を行うことが、患者さんの生死を分けます。


心配停止に陥ってから、心肺蘇生開始までに5分以上かかり、除細動開始までに10分以上かかってしまった場合の生存確率は、0%に近くなると言われています。

 

しかし、5分以内に心肺蘇生が開始され、10分以内に除細動を行えば生存率は37%。たった数分の差が生存率を大きく左右します」

 

今回問題となった「女性にAEDを装着する場合」に配慮すべき点についてもお話を伺った。

――女性にAEDを装着する場合に配慮すべき点は?

Kさん「AEDは素肌に直接装着する必要があるため、今回男性が行ったように、女性であっても衣服やワイヤーの入ったブラジャーなどは切るようにと、AEDの講習などでも指導されています。

 

女性を救助する際は、可能であれば周囲の女性達でバリケードを作って目隠しになってもらうなどの配慮があれば、望ましいですね」

 

一刻を争う命の現場での、「心無い言動」により、助かるはずの命が助からなかった…なんてことは絶対にあってはならない。

正しい知識を身に着けておくことの大切さを、思い知らされる。

・あわせて読みたい→【救急の日】誰かが突然倒れたら?現役内科医が応急対処を解説 

(取材・文/しらべぇ編集部・もやこ

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