自民党の若手議員が提言する『こども保険』とは? 小林史明・衆院議員がズバリ答える
小泉進次郎議員など自民党の若手が提案している『こども保険』制度。世間の反応を調査してみたら…
衆議院議員の小林史明です。
今日はこどもの日ですが、自民党『2020年以降の経済財政構想小委員会』は、今年3月、保育や幼児教育を無償化するための『こども保険』を創設する提言をまとめました。
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■『こども保険』の狙い
私たちがこの案を提案した狙いは、異次元の少子化対策により人口減少に歯止めをかけるためです。
このまま現在の出生率が改善せず、日本の人口構造を変えることができなければ、年金・医療など社会保障制度はもちろん、日本社会を存続することはできません。
冷静に日本の社会環境の変化を見ると、
①核家族化の進展
②地域力の低下
③若い世代の収入減
が明らかで、以前に比べて子育てへの負担が大きくなってきています。
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■『こども保険』ってどんな政策?
こども保険の制度案では、年金の保険料に0.5%上乗せして、その財源で0〜5歳の子供1人あたり2万5千円の現金等の支援を考えています。
例えば、5歳以下の子供が2人いる家庭で、厚生年金に加入している年収400万円の世帯だと月1,200円ほど、国民健康保険の方は830円ほどの負担をいただき、月5万円の支援を受けられることになり、子育て世代には大きなサポートになります。
なお、導入時は0.1%で5千円の支援とし、その後はシニア世代の方々含め社会保障改革に協力いただき、医療・介護の保険料の上昇を抑えることで、こども保険の充実に充てることを考えています。
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■賛成派は約2割
しかし、しらべぇ編集部に全国20〜60代の男女1,336名を対象に調査してもらったところ、この制度に賛成の割合は2割強。
賛成の割合は、女性19.5%に対して、男性は25.5%。20代男性では賛成が3割なのに対して、子育てがひと段落する方も増える4、50代女性ではかなり低い支持率となりました。
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■こども保険は不公平?
この制度に対しては、子供のいない方や子供を持つつもりがないという方から、「不公平だ」という意見をいただきました。
私たちが『こども保険』を提案した背景に、まさにこの点をみんなで考える機会にしたいという思いがあります。
結婚し家庭を持たなくても幸せになれる時代です。ただ、このまま少子化が進めば日本に住む人は減り、地域社会も社会保障制度も持続できなくなってしまいます。
人口減少に歯止めをかけることは、どのような立場の人であっても将来にわたって恩恵があるものです。
今回のアンケートでも20代男性から比較的賛同が多いのは、若い世代の収入源から子育てが難しいと感じているためかもしれません。
これまでも政府は上記の課題解決に加え、少子化対策・子育て支援に取り組んできていますが、「社会全体で子育てを支える」という国の本気度が、若者や現役世代間には伝わっていないのが現実です。
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■「無駄をなくす」だけで財源は生まれる?
「国民に負担を求めるなら先に無駄をなくすべきじゃないか」というご意見もいただきます。そのとおりで、今後も身を切る改革をしっかり進めていきます。
ただ、冷静に数字を見る必要があります。例えば、私も多過ぎると感じている国会議員の定数を100人減らしたとしても削減額は100億円にも満たないのです。
一方、今回の『こども保険』の財源は1.7兆円。先進国で少子化対策に成功したフランス並みを実現するには、3兆円以上の財源が毎年必要になります。
「それなら財源として消費税でやるべきでは?」という意見もいただきます。確かに消費税の使途に子供・子育て支援もあります。
しかし、現在延期されている8→10%への増税で子供・子育てに使う分は、すでに前倒しして予算化しているため、より政策を充実するには10%以上の引上げを実現する必要があります。
現在の状況では先が見通せない一方で、少子化対策は待ったなしの状況なのです。
■こども保険は「共助」
「子育ては家族の責任」という「自助」の概念でもなく、「税金を元に国のサービスで」という「公助」の概念でもない、「助け合い・支え合い・困った時はお互い様」という「共助」の概念が、社会保険の制度。
私たちはこうした背景をもとに、「社会全体で子育てを支える」という意識をみんなで共有しながらこれからの未来を歩んでいきたい、と考えて『こども保険』を提案しました。
この議論を機に、どうやって日本の将来を担うこどもとその家族を支えていくかを考えていただけたら嬉しいです。
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(文/衆議院議員・小林史明)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2017年4月21日~2017年4月24日
対象:全国20代~60代の男女1,336名(有効回答数)