『無限の住人』オンライン座席予約が負のスパイラルの要因か

「ガラガラらしいよ」という噂がオンライン予約で裏付けられ、観客が遠のく要因に

(画像は『無限の住人』公式サイトのスクリーンショット)

映画『無限の住人』が4月29日に公開され、公開最初の興行ランキングは6位でスタートした。

1位は圧倒的な強さを見せているディズニー映画『美女と野獣』、2位は劇場版が安定的なファンの支持を集めるアニメ『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』、3位は人気シリーズ作品『ワイルド・スピード ICE BREAK』、4位は菅田将暉をはじめ人気若手俳優が集結した『帝一の國』、5位はこちらも劇場版が毎回人気のアニメ『映画クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ』。

ゴールデンウイーク映画ということで、強いカードが並んでいるとはいえ、かなり厳しい順位だろう。


 

■多くの回に◎が

公開前から、爆死の噂はあった。

2015年に公開された劇場版『HERO』の興行成績は、同年邦画実写映画ではトップの46億7,000万円を記録したものの、2007年の前作は81億5,000万円だったことから、木村拓哉の集客力の翳りを感じる関係者も多かった。

そして今回の『無限の住人』は、人気コミックの実写化という、昨今の風潮として厳しく見られがちな要素も。

主演の木村拓哉が多くのメディアでプロモーション活動を行なったが、そこでも話題になるのは昨年のSMAP解散騒動に関する話がメインで、作品自体の前評判は盛り上がりを欠いたまま公開に至った感もある。

そんな中で流れたのは、「『無限の住人』はガラガラらしいよ」という噂。

近年は、ほとんどの劇場がオンラインで座席チケットの予約ができる。実際に観るかどうかに関係なく、その予約画面で座席の埋まり具合がすぐにチェック可能だ。

噂を聞いて、劇場の上映予定をチェックすると、空席が多いことを示す「◎」のマークが並んでいる――話題作を観たいと考えるライトユーザーはそれを見ると「観なくても、いいかな」といった心理になりやすい。

便利なオンライン予約システムが、人気作品を益々盛り上げる一方で、苦戦する作品をさらなる負のスパイラルに追い込むのだ。


 

■よくできている三池崇史監督作品

映画レビューを執筆するライターのS氏はこう語る。

「実際に劇場は、かなり空席が目立ちますね。ただ作品自体はどうかというと、流血やアクション、特に派手な戦闘シークエンスの数々は『ザ・三池崇史監督作品』という感じで、見応えがあります。


今回は悪役での登場ですが、市原隼人など三池監督は大きなスクリーンで映える“画保ちのする役者”が好きな監督です。木村拓哉もそういう役者のひとりですし、三池監督作品の素材として、むしろ木村拓哉が木村拓哉であることは、ポジティブに働いていると感じました。


また、敵役の福士蒼汰も身体能力が高い、アクションの上手い役者です。細身の美しい立ち姿は、殺陣の経験は少なくてもキレを感じます。さらに本格アクションは初めてながら、戸田恵梨香の演技はきれいで印象的でしたね」


集客は振るわない状況にあるものの、S氏が指摘するように作品としてのできは良く、三池監督ファンを中心に、実際に鑑賞した人の絶賛コメントも見られる。

海外でのファンが多い三池作品だけに、第70回カンヌ国際映画祭「アウト オブ コンペティション部門」に公式選出されており、欧米での公開も複数決定済み。

現在、国内では苦戦しているが海外での評価から、逆輸入的に盛り上がることが期待される面もありそうだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・チーム・ぺる

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