痴漢冤罪への対処を弁護士が解説 「名刺」「弁護士呼ぶ」「線路に逃亡」は有効?

痴漢の疑いをかけられた男性が線路に侵入して逃げる事案が多発。もっとも有効な対処法を弁護士が解説。

痴漢

レイ法律事務所、弁護士の河西邦剛です。

「今、痴漢したでしょ!」もし、朝の通勤途中に自分が痴漢に間違われてしまったら。

通勤、通学でいつも使用している駅のホームで、利用客の面前であたかも痴漢した犯人のように周りの人から見られる中、「もしかしたら、会社関係者が見ているかもしれない」「自分は逮捕されるのか」「実名報道されるのか」「家族は、仕事は…」そんなことが頭を駆け巡る。

男性であれば、そんなことをイメージしただけでゾッとするのではないでしょうか。


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■「痴漢冤罪」はすべての男性にリスク

痴漢は憎むべき犯罪ですが、満員電車の中ではどうしても体が密着せざるを得ない場合があります。そうである以上、「誰でも痴漢に間違われる危険性がある」と考えても、決して大げさとは言えないでしょう。

そんな中で、痴漢に間違われてしまったらどうすればいいのか。「まったく身に覚えがないのに痴漢と指摘された時」の対処法について検討してみましょう。


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■「駅員室へ移動」は私人逮捕につながる

まず、巷では「駅員室に連れていかれたら終わり」というような声もあるそうです。もし仮に、被害者(とされている人)の言い分に全面的に従って駅員室に移動すると、「その時に現行犯逮捕されていた」と後々に評価されてしまうことがあります。

どういうことかと言うと、まず、痴漢した人間を現行犯逮捕することは、警察官でない通行人や被害者等の私人でも可能です。

そして、警察官が駅員室に臨場する際には、既に事件から一定程度の時間が経過していることがほとんどであることから警察官自身が現行犯逮捕するということが難しい状況もあり、そこで、「私人が既に現行犯逮捕していたことにしよう」となるわけです。

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