老舗ヘヴィメタルバンド『ANTHEM』に学ぶ 「メンバーの個性」の活かし方

日本ヘヴィ・メタルの重鎮、ANTHEMの柴田直人に常見陽平氏が直撃。

2017/07/14 17:30


 

■ギタリスト清水昭男の活躍

柴田直人


常見:今回は、ギタリストの清水昭男さんの曲がアルバムの半数を占めますよね。僕は清水さんがもっと主張してもいいのではと思っていたので、嬉しいです。


柴田:清水が主張する方法は、なにも楽曲数だけではないと思っていますが、とにかくいろいろやってみたわけです。僕の中のイメージでは僕と清水を静脈と動脈のように捉えているんですけど。どっちが動脈とかはなくて(笑)。


エネルギーを行き来させる2本のパイプみたいな。キャラも個性も方法論も違うけれど、同じバンドにいて刺激しあいながらやっているので。清水はきっちり準備してやりたいタイプで、瞬間の炎の輝きを捉えたい感じの僕と、ある意味では水と油のようですが、それでもちゃんとANTHEMのサウンドになったと思います(笑)。


常見:ファンとしては、清水さんがもっと認められたらいいなと思っていますから。


柴田:それは僕が一番思ってきました。「君たち、わかるかな?」と言いたかったです (笑)。こうすれば清水の力がよく見えるだろう?とね (笑)。


アルバム中盤の「MIDNIGHT GROWL」「REACTIVE DESIRE」「SACRED TRACE」などは、上手く彼の世界を表現しているし、それでいてANTHEMでもある。


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■「ずっと前からアイツはすごい」

常見:当時、20歳の大学生だった清水さんに力を見出した柴田さんもすごいし、間違ってなかったなと。


柴田:最初に会ったときから今に至るまで、清水の根本的な評価は変わっていないですよ。わかりやすく「天才」という言葉を使ってはいますけど、彼は優れた才能がありながら、かなりの努力家でもある。


そういう彼の人間性を僕は認めているんです。清水なりに、いろんなプレッシャーに耐えながら戦ったものがこの音になったんです。僕としてはしてやったりですね。「言っただろ、ずっと前から、あいつはすごいんだよ」と (笑)。


常見:森川さんもANTHEMで一度もしなかった歌い方をしていますよね。


柴田:森川には、曲に対してぼくの頭の中でなっていた彼の声を妥協せずに求めました。レコーディング中は「力まないでもっとナチュラルに歌ってくれ」と何度も言っていた気がしますね。さすが森川です。見事にやり遂げてくれました。

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