弁護士が語る児童相談所の実際 「保護する勇気」と「親への配慮」の難しさ

児童の保護のために心を砕く児童相談所と、親の気持ちが対立する事態にも。

2017/07/16 11:00


 

■親の感情が児相の不安を刺激する

(高橋弁護士)

このような両者の状況は、双方共に子供のことを大事に考えている点では共通ですが、その方法が大きく異なるために対立します。

私の知っている先の例では、「早く返してくれ、人さらいだ、許せない」と感情的になっていく親を見て、児相はより不安感を強めてしまう状況にありました。

こうした場合、事件解決のためには、「子供の保護の解除に必要な条件」を冷静に児相から引き出し、同時に親の抱える不安を丁寧に聞きとることが必要です。


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■周囲の協力も不可欠

子が生まれ、親となるはずがそうはなれなかった親の絶望も、保護しさえすれば救えたかもしれないと遺棄事件を見るたびに悔やむ児相の気持ちも本当のものです。

せめて両者の橋渡しになるよう、周りが協力していく必要があるのです。

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(文/レイ法律事務所高橋知典弁護士

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