「アイツ最近、天狗に乗ってね?」 間違いに気づいてほしいヤバい会話
女子学生同士の会話に、意味が通っているようで、よく考えるとシュールだったことに気付いた黒田勇樹のコラム
5才で大河ドラマデビュー、8才で帝国劇場最年少主役、17才で日本アカデミー賞新人賞受賞と華々しい経歴を持ちながら、最近は無職とフリーターを行ったり来たりしている俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。
生まれつき鼻は高いですが、どんなに売れても落ちぶれても、一度も調子に乗ったことがないのだけが自慢です。
このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる「妄想的」な語源しらべぇです。
■「アイツ、最近、天狗に乗ってね?」
昼下がりのファーストフードで耳にした、女子校生たちの会話です。どうやら同級生のひとりが最近、部活動かサークル活動の最中に天狗に乗っているようです。
天狗に乗る!? 妖術使いか、いや、妖怪使いか。天狗って妖怪の中でも結構上位ですよ! 強いですよ? 団扇ひと振りで、嵐とか起こしますよ! 乗りこなすなんて、どれだけ剛の者の話をしているんだ!?
賢明な読者の皆様は、お気づきでしょう。
彼女たちは「調子に乗る」と、それを表す比喩「天狗になる」を、混同したまま話が盛り上がってしまったため、大妖怪を乗りこなすスーパー女子校生を誕生させてしまったのです。
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■「心臓が出る」
胸が張り裂けて、そこから血まみれの臓器が!?
これも驚いた時に、使われる慣用句「心臓が口から出る」の、口を省略したために起こった誤解です。口が入ったところで、慣用句としてこの表現を知らない人が聞いたら、とても怖い状況ですね。
筆者は、天狗に乗る女子校生を想像して、心臓が出るかと思いました。
比喩や、ことわざ、慣用句は省略してしまったり、言い間違えると大きな誤解を招いてしまうので気をつけたいですね。
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(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)