「神田川」も今は昔 広い湯船でゆったりの銭湯は高年収者が利用か
今や風呂なしアパートを探す方が大変なのかも…
広々とした浴室・浴槽のほか、サウナやジェットバスも珍しくなくなってきた銭湯。
さまざまな設備をそろえた大規模なスーパー銭湯は、長時間楽しめるレジャー施設としても人気だ。
しらべぇ編集部では、全国の20~60代の男女1,343名を対象に「銭湯に行く」か、意識調査を実施した。
■今は高収入の人ほど
全体では「よく行く」4.9%と「たまに行く」15.9%で「銭湯へ割と行く人」は20.8%、「あまり行かない」23.7%と「ほとんど行かない」55.5%で「行かない人」が79.2%。
男女別では
「よく行く」「たまに行く」と回答した「銭湯へ割と行く人」の割合は、男性が23.2%に対し、女性は18.4%と5ポイントほど男性が上回った。
温泉などは女性に人気のイメージだが、銭湯となると「人目を気にする必要のない、家のお風呂の方がいい」となるのかも。
また、スーパー銭湯などのレジャー施設化だけでなく、東京都浴場組合の銭湯の入浴料金は460円。回数券などで若干安く利用することも可能だが、1か月を仮に30日とした場合、銭湯に毎日通うと1万3,800円とそれなりの出費になる計算だ。
昨今は風呂がないアパートでも、共同のコインシャワーを付けるところなどが増え「そちらの方が手軽で、安上がり」という声もある。
そこで、「銭湯へ割と行く人」の年収別データを見てみると
年収に比例して上昇。年収「1000万円以上」と「300万円未満」では、18.7ポイントも差が開いた。
かつてのヒット曲、フォークグループ・かぐや姫の歌った「神田川」をはじめ、銭湯と言えば“風呂付の物件に住めない、貧しい人が利用する”といったイメージがあった。
しかし、現代の住宅設備環境では「家にお風呂やシャワーはあるけど、広いお風呂に入りたい」といった、プチ贅沢利用の方が多くなっているようだ。
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■銭湯巡りが趣味の人も
実際に「銭湯によく行く」という人に、話を聞いた。
「地元が温泉街で、ほぼ地元住民専用な公衆温泉施設があったので、そういう場所の方が家の風呂よりも落ち着きますね。なんか狭いお風呂だと、入った気がしないというか…。それに子供の日には菖蒲湯とか、冬至の日にはゆず湯とかなので、タイミングよく行くと“ラッキー!”って思うし。(笑)
もちろん忙しい時は、家でシャワーだけってことも多いけど、引っ越しの時には『近所に銭湯があるか』というのが、物件探しの優先順位でかなり高め。今住んでるところは下町で、自転車圏内にいくつも銭湯があるんで、休日など時間に余裕がある日には『今日はどこの銭湯にしようかな』って選べるのが最高です」(30代・男性)
「子育てが一段落したとはいえ、温泉にちょくちょく行けるほど時間もお金もありません。その代りあちこちの銭湯に行くのが、ここ数年の趣味になっています。
都内でも温泉を利用した銭湯が結構あるし、地域やその銭湯ごとに、常連さんの雰囲気や振る舞いが違うのも味わいがあって…。行ったついでに近所の商店街をブラブラするのも、楽しいですよ。
少し前に、娘がおもしろそうってついて来て、『今まで一人で行っていたなんて、ズルい』と言うほど気に入ったみたい。“これからは親子で楽しめるかも”って考えると、嬉しいですね」(50代・女性)
近所で広々とした湯船を満喫できる場所は貴重だが、銭湯の軒数は年々減少している。家のお風呂もいいけれど、銭湯でプチ贅沢な気分を味わってみては。
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(取材・文/しらべぇ編集部・くはたみほ)
調査期間:2017年7月14日~2017年7月17日
対象:全国20代~60代の男女1343名(有効回答数)