酔い潰れただけと思ったら…日射しがなくても注意が必要な熱中症

太陽が照りつけていると熱中症に注意するが、日射しがないと油断しがち

2017/08/20 06:30

(chombosan/iStock/Thinkstock)

東京では、ぐずついた天気が続いている。照りつける太陽はないが気温・湿度は高く、かなり汗をかく天候に変わりはない。

日射しが弱いと油断しがちな熱中症だが、総務省消防庁が発表した「熱中症による救急搬送人員数」(8月7日~8月13日速報値)によると、全国で4,298人が熱中症で救急搬送されている。

しらべぇ編集部では、全国の20~60代の男女1,342名を対象に「熱中症になったことがある」人の割合を調査した。



 

■九州・沖縄よりも

全体では19.9%が「熱中症になったことがある」と回答。男女別では、男性が21.3%に対し、女性は18.4%で男性が3ポイントほど高い。

性別・年代別で見てみると、

20代男性が36.4%と飛び抜けて多く、3人に1人以上が熱中症経験者という結果に。

それ以外も、60代女性を除いて15%を割り込むことはなく、2割前後が「熱中症になったことがある」ようだ。

地域によって差があるのか比較してみると、

最も多いのは北関東の25.6%。

北海道や東北など15%台のエリアもあるが、平均的に気温が高い四国や九州・沖縄よりも、北関東や首都圏が上回った。

最高気温が高くなる地形的な条件もあるが、都心部はアスファルトの照り返しや、ビルで風が遮られることによって空気が流れず、ピンポイントに体感温度が上がる場所も少なくないことから、こうした傾向が出やすい可能性も。


関連記事:熱中症対策でも水の飲みすぎは「水中毒」になるおそれも 警視庁が注意喚起

 

■急に視界が

実際に「熱中症になったことがある」という人に話を聞いた。

「今でこそ、運動中にはきちんと水分補給する必要性が認知されていますが、私が中学生の頃などは、完全に根性論。基本的には許可なく水を飲むとか、厳禁でしたね。それでも身体が慣らされていれば、どうにかなる感じだったけど、テスト中は一週間程度部活が休みになり、それが明けて久しぶりに練習した時に倒れました。


練習の中盤に視界が白っぽくなるような感じがあって、最初は汗が目に入るせいかと思ったのですが、『あれ? 真っ白で、何も見えなくなった…』と思った次の瞬間には、意識が飛んでいて…。すぐ保健室に運ばれて、救急車沙汰にはならなかったけど、よく考えたら危険ですよね」(40代・女性)


「20代の頃、夏に男友達と数人で海に遊びに行って、天気は良かったけど波が荒かったんで、ずっとビーチで酒盛り。水分は採っているつもりでも、お酒だけじゃダメなんですよね。


自分も周りも、酔い潰れたと思ったんですけど、友達の一人が『ちょっとおかしい。こいつ汗かいてない』と熱中症の症状だと気づいて、ムリヤリ病院へ連れて行ってくれたので助かりました」(30代・男性)


重症になると後遺症が出るほか、悪くすれば死亡することもある熱中症。まだまだ暑さの厳しい季節だけに、注意が必要だ。

・合わせて読みたい→【救急の日】誰かが突然倒れたら?現役内科医が応急対処を解説

(取材・文/しらべぇ編集部・くはたみほ 参考/総務省消防庁

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2017年7月14日~2017年7月17日
対象:全国20代~60代の男女1342名(有効回答数)

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