武井咲・TAKAHIROの結婚で注目 「恋愛禁止ルール」について弁護士が解説
アイドルグループでもよく話題になる「恋愛禁止ルール」は合法なのか?
■裁判では無効判断が多い
過去の判決では、「自分の人生を自分らしくより豊かに生きるために大切な自己決定権そのものであるといえ異性との合意に基づく交際(性的な関係を持つことも含む)を妨げられることのない事由は、幸福を追求する事由の一内容をなすものと解される」とされたものもあります。
なので、今回のケースでも恋愛禁止条項に違反したとしても、事務所がタレントに対して損害賠償請求をしても認められる可能性はかなり低いでしょう。
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■CMの違約金支払いはあり得る?
今回のケースでは、仮にCMの変更や差し替えがあった場合でも、所属事務所が広告代理店に違約金を支払う可能性は高くはありませんし、仮に、広告代理店が所属事務所に違約金の支払いを求めても、裁判において請求が認められる可能性は低いでしょう。
CMやパンフレット等の広告媒体に必要な映像や写真は、すでに撮り終えているでしょう。
また、差し替えの原因は違法行為というわけではなく、結婚や妊娠であることから、イメージを損ねているとはいえないからです。
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■撮影予定のドラマについては?
今後撮影が予定されていたドラマについては、配役の変更が考えられるでしょう。すでに撮り終えた部分があるとすれば、そこに対する費用相当分を所属事務所が負担するということは考えられます。
また、配役についても、多数の著名女優が所属している大手芸能プロダクションにおいては、同じ事務所内から代役を立てるということが多いので、配役の変更についても違約金の支払い等は生じない可能性が高いといえます。
ドラマの場合にはテレビ局から所属事務所に支払われるギャラの額は、撮影前に決まっていることがあります。
しかし、支払いは撮影の終盤であったり、撮影後もあったりするので、予定されていたギャラから再撮にかかった費用相当額を差し引くということはあるかもしれません。
(文/レイ法律事務所・河西邦剛(弁護士))