「壊れるほど抱いてほしい」 『クロ現』障害者の「恋と性」特集に大反響

リリー・フランキーが出演した『クローズアップ現代+』の「障害者と恋とセックス」特集が大きな注目を集めた。自慰も難しい彼らの痛切な叫びに、考えさせられる。

2017/09/26 16:30


クローズアップ現代
(amanaimagesRF/iStock/Thinkstock)

人間は、自分と異なる境遇にいる人に対して、先入観や偏見を持ってしまう生き物だ。そして、ときにそれは、相手を大いに苦しめることにつながる。

25日、『クローズアップ現代+』(NHK)で放送された特集「障害者と恋とセックスと」が大きな反響を集めている。


■タブー視されてきた「障害者の恋と性」

この日、番組には映画『パーフェクト・レボリューション』に主演する俳優のリリー・フランキーや、NPO法人ノアール理事長の熊篠慶彦氏らが出演。

同作は、18年前から障害者の性の自立を目指し活動してきた熊篠氏の実体験をもとにした作品で、重度の身体障害者である「クマ」と人格障害を抱える風俗嬢の「ミツ」の恋を描いたもの。

「クマ」こと熊篠氏の活動は多岐にわたる。トークイベントで障害者の本音を打ち明けたかと思うと、自身のサイトで相談に乗ったり、ときには障害者が利用できるラブホテルを探すなどのフィールドワークも。(「段差」がないなど、車イスで入ることができるラブホは少ないそう)

このように番組では、熊篠氏の活動をベースに、障害者の恋やセックスに対して、社会から目を向けられることがなかったさまざまなことを伝えた。


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■「自慰行為の補助器具」をめぐり困惑する現場

しかし、福祉の現場でも、この話題はかなりデリケートなよう。番組では、とある支援センターで「うまく自慰行為できない人のため、行為を補助する器具の導入」を話し合う様子も放送された。

そして、そこで浮かび上がってきたのは……

・介助する側が手伝わないといけないのか?


・どこまでどうしていいかの線引が非常に難しい


・法人としてやることなのか?


など、さまざまな疑問・懸念だった。長年福祉に携わってきた人でも(いや、携わってきた人だからこそ?)、「性」の話になると簡単には答えが出ないようだ。

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■「壊れるほど抱いてほしい」 女性の切なる願い
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