注目の強面バイプレイヤー三浦誠己の嘘がつけないナイーブな表情

『ディストラクション・ベイビーズ』ほか、武闘派ヤクザなどで多くの作品に出演する注目俳優・三浦誠己インタビュー

バイプレイヤーが人気だ。特に遠藤憲一や大杉漣、松重豊といった、ヤクザ者の迫力を見せる強面系のバイプレイヤーが、CMやバラエティでのぞかせる素顔に、いつもの役柄とは違う魅力を感じる視聴者が増えている。

そんな流れに与し、ネクストブレイクを期待される俳優のひとりが、三浦誠己だ。

ドラマや映画好きなら、『侠飯~おとこめし~』(テレビ東京系)の「若頭!」と思い、『ディストラクション・ベイビーズ』で「柳楽優弥を序盤にボコボコにして、後半にボコり返されていた武闘派ヤクザだ」と気づくだろう。



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■今の時代のリアルな暴力

――ヤクザ役、とりわけ武闘派ヤクザの役が多いが、そうした役を演じる時のこだわりは?

「日本映画の中には『仁義なき戦い』など、すごい力の強い過去の作品がありました。あの時代のヤクザの人たち、あの時代背景のヤクザの存在感――でも、今は暴力団対策法があって、暴力的なことに関して世間的にも許されない風潮がある中で、YouTubeを観ると防犯カメラ映像など、素手で殴り合うもっと生々しい暴力が氾濫している。


そういうものを観ている人たちに、どうやってリアルな暴力を役者が表現できるだろう? と考えると、従来の殺陣――殴っていると見えるようにといったアクションだけでは、観ている人はリアルな暴力とは感じない。本当は殴っていない――ということまで、リアルに伝わってしまう」


そうした中で、観る人たちに「リアルな暴力」を伝えるため、一つひとつの現場で、試行錯誤をしているという。


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■腕時計を握る仕草で

昨年話題となった映画『ディストラクション・ベイビーズ』(ディストラクション・ベイビーズ製作委員会 監督:真利子哲也)では、武闘派ヤクザ・河野淳平役で出演。

序盤では主人公・芦原泰良(柳楽優弥)を圧倒的な強さで叩きのめし、終盤では暴力をふるうごとに強さを増した泰良に、殴り倒される。観ている人にとっては、泰良が「ここまでの怪物に、なってしまった」と感じさせる、印象的なシーンだ。

「脚本を読んで、真利子監督とどこまでリアルな暴力を表現するのか、話し合いました。それで顔面を殴るのだけは、カメラポジションでどうにかしましたが、当ててはいないけどギリギリ。蹴るとか体に関する打撃は、実際に当てています。


もうそこまで来てしまったというか、そこまでやらないとリアルな暴力は、伝わらないんじゃないかな…と思いますね。


でも、それだけでは弱いので、わかる人にはわかると思うんですけど、時計を握って殴っているんです。腕時計を握ると(拳が)もっと重くなるし、それくらいしないと、主人公の泰良は倒れないだろうって」


河野が発する暴力的なオーラに加え、腕時計を外して手のひらに握り込む仕草は、容赦のない暴力の中でのし上がってきたのだろう背景を、わずかなシーンで端的に、観る者に悟らせる。

そんな暴力シーンのリアルを語る三浦だが、リアルを追求し、演じているのはヤクザばかりではない。

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■小市民なスーパーの店員のリアル