注目の強面バイプレイヤー三浦誠己の嘘がつけないナイーブな表情

『ディストラクション・ベイビーズ』ほか、武闘派ヤクザなどで多くの作品に出演する注目俳優・三浦誠己インタビュー

2017/09/29 06:30


 

■主演作『AMY SAID』

((C)2017「AMY SAID」製作委員会)

9月30日より、テアトル新宿ほかで公開される『AMY SAID エイミー・セッド』(以下、『AMY SAID』)。

「あの日、エミは言った…」全員が、心の片隅に鳴り響いていたエミの言葉をしまい込んでいた――。

大学の映画研究会の仲間9人。その中のファムファタル的な存在だったエミが、ある日突然彼らの人生からいなくなって20年。遺された8人が、それぞれしまい込んでいた想いを語る、ある一夜の物語だ。

――『AMY SAID』は、どんな作品?

「ファンタジックな映画であり、ノスタルジックな映画でもある。その中で、人の心の扉をみんなで、カギを作って開けてあげる――集まった8人みんなで、それぞれの心の扉を開けてあげるお話だと思います」


この作品で三浦は、学生時代の20年前、映画の才能を周りに認められながら、みんなのファムファタルであると同時に、彼にとってはミューズでもあった恋人を失い、夢を捨て、今はパン屋を営み、日々をやり過ごすためだけに生きているような主人公・朝田を演じている。

「この作品や朝田というキャラクターに、最初ピンと来なかったんですよ。プロデューサーや監督とも話をして…もちろん、朝田という男がどういう人間で、どうして今こうなのか? というのはわかりますけど、テイストというか表現する部分が、しっくり来なかったですね。でも、リハーサルを重ねて、監督と二人で話している時にスコン! と、見えるものがあった」


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■「演技をしない軸を作る」という選択

遺された者たちそれぞれに、当時の感情があり、その後に歩んできた20年があって、その間ずっと横たわっている「なぜ、エミは死を選んだのか?」ということ。

作中、当時の回想シーンなどは盛り込まれているものの、物語の大部分が集まった8人の会話劇で繰り広げられる。その中で、朝田は前半ほとんど言葉を発しない。

「この場にいる朝田を演じるのに、演技をできるだけ削ぎ落して、演技しない軸を作れば、みんながどこか装っていたり、どっか嘘をついていたり、ちょっとぎこちなかったり、でも仲良かったり…っていう雰囲気が、立体的に出ると思いました。


現場で演技しない。ある意味、俳優として共演者から見れば職場放棄にも見えるような、『うん』とか、『あぁ』とか言うのでも、セリフっぽい声のトーンであるとか、言葉であるとかも削ぎ落としていたんで、今思うとみんな、疎ましかったんじゃないかな。『なんやねん、こいつ。手ぇ抜きやがって』とか、『何あいつ、芝居しないで』って(笑)」

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