とんねるず『保毛田保毛男』問題 国際機関は「差別禁止法を採択すべき」と勧告も

フジテレビ『とんねるずのみなさんのおかげでした』での差別問題について、弁護士に法的側面を聞いた。

エンタメ

2017/09/30 20:00

カップル
(nito100/iStock/Thinkstock)

28日、フジテレビ系で放送された『とんねるずのみなさんのおかげでした』30周年記念スペシャルが、波紋を拡げている。

番組の中では、石橋貴明(55)が往年の人気キャラクターだった「保毛尾田保毛男(ほもおだ・ほもお)」に扮するとともに、他の出演者からも「ホモ」という発言も行われた。


 

■フジ社長も謝罪

「ホモ」という言葉は、LGBTへの認知が拡がった現在は「差別や揶揄のニュアンスを含む言葉」と受け止める面もある。

放送直後からネットでは、

「この時代に『ホモ』という言葉をテレビで聞くとは思わなかった」


「ゲイを笑いものにして面白いのか」


「放送されてしまった事実は重すぎる」


といった厳しい批判が相次いだ。

フジテレビの宮内正喜社長(73)は、29日の定例会見で、「不快な面をお持ちになった方がいたことは大変遺憾なこと。謝罪をしないといけない」と陳謝している。


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■日本に差別を禁止する法律はないが…

しらべぇ取材班は、芸能界やテレビ業界にくわしいレイ法律事務所の森伸恵弁護士に、今回の事案について法的な側面を聞いた。

森弁護士:番組では、石橋貴明さんが「保毛尾田保毛男」というキャラクターに扮し、他の出演者らと「ホモ」という言葉を複数回発言し、同性愛者を嘲笑するような言動がなされています。 しかし、ホモという言葉は男性同性愛者に対する蔑称です。


日本では、いまだ「LGBTに関する差別を禁止する法律」はありません。 しかし、国際人権規約委員会は日本に対して、「差別禁止法を採択すべき」と勧告しています。すでに地方自治体ではLGBTに関する差別を禁止する条例がいくつか登場しています(東京都文京区の男女平等参画推進条例など。)。LGBTに関する宣言を行っている自治体もあります。


■ヘイトスピーチを助長する恐れも

さらに森弁護士は、こうした言葉がもっとも強力なマスメディアであるテレビから流されることで、差別が逆戻りすることを危惧する。

森弁護士:最近では、レインボーイベントが、毎年開催されるようになりましたね。 このような時代背景のなかで、ホモという言葉が、公共の電波を使用し多くの人が視聴するテレビ番組において表現されたことは非常に残念でなりません。


LGBTに対する偏見が広く伝播し、差別的言論(ヘイトスピーチ)を助長する危険性をはらんでいます。 またLGBT当事者、性的少数者に不快な思い、悲しい思いを生じさせるものとも言えるでしょう。 多くの人が視聴するテレビ番組だからこそ、高い倫理観が求められます。


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(取材・文/しらべぇ編集部・盛山盛夫 取材協力/レイ法律事務所・森伸恵弁護士)


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