しらべぇ

ミュージシャンは「めざす」ものじゃない ROLLYが今の音楽シーンへの思いを吐露

ロックバンド『すかんち』のボーカル兼ギターとして知られるROLLYに直撃。

エンタメ

「恋のマジックポーション」などで知られる、伝説のロックバンド、『すかんち』。

そのボーカル兼ギターとして活躍し、舞台やバラエティ番組にも活動の幅を拡げているROLLY(54)に、しらべぇ取材班は話を聞いた。

 

■2歳で「音楽の力」に気づく

ROLLY

音楽が持つ力に最初に気づいたのは、物心もつかない2歳の頃だったという。

ROLLY:音楽が人間の深層心理に与える影響について気づいたのは、2歳くらいのときです。自分が生まれる4年ほど前に交通事故で亡くなった兄がおりまして、生まれた直後、母は毎日夜の9時になると、亡くなった息子を思い出しながら、仏壇に向かってお経を読んでいました。

 

ちょうどそのくらいの時間に、家の隣にあった銀行から「ねんねんころりよ〜おころりよ〜」というメロディが流れてくるんです。そのメロディと母親のお経を聞いて、「なんてさみしい気持ちになるんだ」と思っていたのが、2歳の頃。

 

でも、テレビから『こんにちは赤ちゃん』の歌が流れてきたら、さっきまでさみしい気持ちになっていたのが急に楽しい気持ちになる。「なるほど、音楽というものには、人間の気持ちを操る魔力があるんだ」と気づいたのは、その頃です。

 

■音が脳内に描くイメージを追求

ROLLY

中学生のとき、ROLLYはその「音楽の魔力」を自分のものにする。

ROLLY:音楽を聞くたびに、頭の中に描かれるイメージを追い求めてきました。姉が2人おりまして、姉が持っているオルゴールを鳴らすと、「バレリーナが2人立っていて、白鳥の湖を踊る光景が見える!」みたいに。

 

中学1年生の夏休みにギターを始めて、本格的に自分で音楽を演奏できるようになったのは、非常に画期的な出来事でした。「人の気分を操る魔力」を自分が手にした瞬間ですね。

 

■ミュージシャンは「めざす」ものじゃない

ROLLY

すかんちとしてデビューは26歳のときだが、同じく音楽の世界を志す人たちへのアドバイスを聞いてみたところ、言葉が熱を帯びる。

ROLLY:ネットの中で、ミュージシャンをめざす方、「アーティストになりたい!」と言う人がいますが、僕は間違ってると思います。

 

ミュージシャンは、「ミュージシャンだからミュージシャン」なんです。アマチュアもプロもない。アマとプロは、ほんの少しの違いだけで、やっていることは同じじゃないとダメだと思うんです。

 

■「最大公約数」を狙わない

ROLLY

一方で、その志望動機には警鐘を鳴らす。

ROLLY:世の中には、ミュージシャンというよりは「有名人になりたい」という人がいます。音楽で有名になる、「どうやったら一般の人に共感されて人気が出て、東京に出ていい生活ができるのか」を目的にすると、最大公約数を狙わないといけない。

 

音楽家やアーティストは、最大公約数のことを考えてはいけない気がします。せっかく音楽をやるんだったら、ありとあらゆる音楽を聞いて自分の中に盛り込み、咀嚼した上で、他の人がやっていない自分独自のものをやってほしいですよね。

 

■「すべての活動が苦しい」その理由は…

ROLLY

最近は、バラエティ番組や映画やテレビCMなどでも活躍するROLLY。その中でとくに楽しい活動について聞いてみたところ…

ROLLY:音楽も含めて、すべての活動が苦しいです。苦しくて苦しくて仕方がないです。つねに「もっといいもの、よりいいものを」と考えてしまうので、「なんで自分は他の人よりも、演技もダンスも何もかもが劣ってるんだ!」と思うので。

 

すべての仕事に真剣に取り組めば取り組むほど、じつは苦しくないといけない。歳を重ねるごとに苦しみが増えていっていますね。でも、うまくいったときに「あぁ、やってよかったな」と思う。

 

音楽でも演劇でも、「観客を今の精神状態ではない、違う精神状態に持っていきたい」という根っこがひとつあるので、何をやっても自分というものは失わないでいられます。もし自分がなくて、「有名になりたい」という目的だったら、ブレてしまったでしょう。

 

■テレビCMで17年ぶりの「再会」

ROLLY

11月からは、ライブ配信アプリ『ミックスチャンネル』のテレビCMにも主演しているROLLY。生配信に乱入するファンキーなお父さん役を熱演している。

ROLLY:娘役の伊倉さんは小さい頃、17年前に僕がフック船長を演じていた舞台『ピーターパン』を見てくれたんだそうです。「いつか自分もピーターパンに出てみたい」と夢見て、芸能の世界に入ってきたと。自分が何か彼女に影響を与えて、17年間ぜんぜん知らなかったけれども、こうして親子役をやるのは醍醐味ですね。

 

映像は、「関西弁の間抜けなおっちゃんだけどファンキーでカッコイイ」という感じで撮っていただいて、嬉しかったです。ぜひご覧ください。

 

11月には、河原雅彦が演出、古田新太が主演する舞台『ロッキー・ホラー・ショー』の音楽監督も務めるROLLY。幅を広げ続ける活動に、要注目だ。

【ロッキー・ホラー・ショー】

11月7日〜12日:Zeppブルーシアター六本木

11月16日〜12月3日:池袋サンシャイン劇場

・合わせて読みたい→40〜50代はライブ・コンサート世代 ロキノン女子が語る

(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト 取材協力/ROLLY

関連記事

人気記事ランキング

アルバイト募集中 WEBエンジニア募集