モンドセレクション25年連続受賞 阿賀野の恵みを生かした『白龍酒造』のこだわり
地元農家と提携し、酒米づくりにもこだわる蔵元。
蔵のある阿賀野市は、上質なコシヒカリを栽培する新潟県有数の穀倉地帯。
二十余年前からは、旧・水原町(すいばらまち)地区の農家とともに設立した「酒米協議会」のメンバーによる「五百万石」の栽培も始めたのが、白龍酒造だ。
画像をもっと見る
■酒米生産者の顔が見える酒造り
さらに現在は、大吟醸などの上級酒に多く使われる「越淡麗」も手掛けるなど、規模を拡大。20数軒の生産者とともに、より高い品質を求めて活動を続けている。
「生産者の顔が見えるお米だと、安心して酒造りができますね」。製造責任者として酒造りを取り仕切る専務取締役の白井伸児さんは、長年のパートナーである契約農家について笑顔でこう話す。
契約栽培米で醸した酒のボトルに掛けられたPOPには、生産者の集合写真とともに「新潟県阿賀野市の地元農家と契約栽培」との文言が刻まれている。
蔵と同じ気候、水環境で育まれた米で醸す『白龍』の酒には、米どころ阿賀野市の魅力と誇りがぎゅっと詰まっているようだ。
関連記事:四国地方で最も旅行に行きたい地域は? 僅差の1位は…
■淡麗な中に膨らみのある旨みを求めて
阿賀野水系の豊かな水と、その恩恵を受けて育った米で醸す白龍は、淡麗な中に膨らみのある旨みをたたえた美酒。
その味わいは、歴代の越後杜氏に学んだ技によって磨かれてきた。 特に麹造りは、原料処理段階から決して気が抜けないと白井専務は語る。
「品種や米質によって微妙な加減をするのが難しい。白龍の味がブレないよう、ここできちんと造り込むことが一番大事だと考えているのです」
毎年全力の酒造りをしてもなお「満足したことはない」と、白井さん。その言葉には、謙虚さと一層の技術向上を志す芯の強さが同居しているように感じられた。