藤井四段や「ひふみん」、永世七冠…話題の将棋に関する素朴な疑問3選
藤井四段にひふみんで盛り上がった2017年の将棋界。疑問に感じることは逆に増えた?
2017年は藤井聡太四段の29連勝や、加藤一二三九段の「ひふみん」ブームなど、将棋がなにかと話題に。両者は流行語大賞にもノミネートされており、2人の名前は一般人にも広く認知された。
そして12月には、羽生善治棋聖(当時)が竜王位を獲得し、史上初の「永世七冠」に。こちらもメディアに大きく取り上げられ、国民栄誉賞の授与が検討されている模様。
まさに2017年は多くの認知が広がったという点で、「将棋の年」と感じる人もいただろう。
■「藤井ブーム」で将棋を始める人も
そんな将棋界だが、話題の火付け役となったのは、やはり藤井聡太四段の公式戦29連勝。そこから「藤井ブーム」が巻き起こり、連日対局の様子が取り上げられた。これをきっかけに、将棋を始めた人もいるようだ。
しらべぇ編集部が全国の20代〜60代の男女1,342名にを対象にした調査では、20代の11.0%が「藤井ブームをきっかけに将棋を始めた」と回答。
決して多くはないが、影響を受けた人は存在している。
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■初心者が抱く将棋の疑問3選
そうはいっても、藤井ブームをきっかけに将棋に興味を持った人には、疑問に感じることはまだまだ多い。そこで将棋ファンのSさんに、「棋士に関する素朴な疑問」について教えてしてもらった。
①羽生竜王の「永世七冠」ってどれくらいすごいの?
「将棋界に存在する7つのタイトル(2017年から8つ)をすべて獲得したうえで、そのタイトルを最低5回以上取らないと、『永世』の称号は獲得できません。
条件はタイトルごとに微妙に異なっており、『連続5回』や『通算10回』が条件のものも。羽生さんは、それをすべてクリアしたということ。
タイトル戦はほぼ毎月行われるうえ、全国各地を転戦するので、移動も大変。さらにほかの対局や将棋イベントへの参加もあり、かなり忙しい。
そんな条件で永世七冠を達成した羽生さんは、本当に凄い人です」
②どうして棋士は男性ばかりなの?
「プロ棋士になるためには奨励会という養成機関に入り、まず三段に昇段しなければなりません。その後、リーグ戦を戦い、上位2名に入ると晴れてプロ棋士になることができます。
女性も挑戦していますが、年齢制限内にプロになることができず、退会。まだ1人もプロになっていないんです。
ちなみにメディアに登場する女性の棋士は『女流棋士』で、カテゴリが別。女流でも男性と戦うことはできますが、基本的には女性のみとの対局です。
現在、里見香奈棋士と西山朋佳棋士が三段リーグを戦っています。史上初の女性プロ棋士になれるよう、がんばってほしい」
③どうして大人の棋士が中学生の藤井四段に負けるの?
「将棋は頭脳スポーツなので、あまり年齢は関係ないかと。過去の中学生棋士である羽生竜王・谷川九段なども、若い頃から強かった。
現在も高勝率を誇る藤井四段ですが、菅井竜也王位や豊島将之八段・稲葉陽八段など20代のトップ棋士には敗戦しています。大人たちも、負けてはいません。
藤井四段は今後タイトル戦の決勝トーナメントなどに出場予定で、上位棋士との対局が予定されています。強いおじさんたちも、黙っていないのでは」
藤井四段を中心に大きな話題を提供した将棋界。来年の動向にも注目したい。
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(文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
対象:全国20代~60代の男女1,342名(有効回答数)