天然湧水仕込みに総槽搾り 新潟・糸魚川『雪鶴』の蔵元杜氏が手塩にかけて育てるもの
「糸魚川ブラックやきそば」などご当地グルメとも仲間になりたいと「ブラックシリーズ」も開発。
■ハイドロトリーターによる特許製法
雪鶴は、「酔い覚め爽やか、楽しいお酒」を歌っている。その根拠は4代目が開発した特許製法。NASAで使っていた水処理機「ハイドロトリーター」を利用するもので、それがもたらす特長は…
① 水とアルコールを強力に水和させることにより、長期熟成を経たように円く柔らかく口当たり優しいお酒になる。
② アルコールの吸収と分解をスムーズにするので、悪酔いの因子(活性酸素とアセトアルデヒド)の発生を抑え、体に優しい酔い覚め爽快なお酒になる。
③強力な還元力で酒の酸化を抑えるため、飲酒の後口に清涼感があり飲み飽きしない楽しいお酒になる。
この製法は昭和63年に特許を取得。新酒や無濾過生原酒もこの製法を利用すれば、ぴりぴり感が和らぐという。
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■ブラックシリーズを展開
田原5代目:『雪鶴』の2015年の新商品を発売する際に「ブラック」の名をつけました。「鶴なのになぜブラック?」と思われますよね。じつは糸魚川ではご当地グルメに「ブラック」の名がついています。ブラック焼きそばはその代表。地酒もその仲間にとの思いで、誕生したものです。
このお酒は超辛口ですが、女性にも飲んでいただきたいと考え、昨年、やや甘味旨みを持たせた「ブラックレディー」も新発売しました。男女ペアで「ブラック」と「ブラックレディ-」を飲み比べてみてください。
出荷するお酒は全て、熟成効果をもたらす装置ハイドロトリーターを通しているという雪鶴。「口当たり柔らかで優しく、旨み豊かで酔い覚め爽快」がキャッチフレーズだ。蔵の代表商品は次の通り。
①『雪鶴 ブラック』
2015年秋にリリースした普通酒。原料米には「五百万石」と「こしいぶき」を使っている。日本酒度+10と超辛口ながら、旨み十分。
華やかな香り、軽やかな口当たり、爽やかな後味でかつ鋭いキレが特長で、和食全般によく合う。冷酒がお薦め。
②『雪鶴 大吟醸 三年古酒』
鑑評会出品酒の大吟醸を3年以上冷蔵貯蔵。「山田錦」と1801酵母を使っている。熟成しているため、香りまろやかで旨み濃厚。しかもキレがいい。食前、食後酒に最適、肴はいらない。
③『雪鶴 純米吟醸 無濾過生原酒』
精米歩合58%の「五百万石」を使用。20年ほど前に発売し、冬の看板商品になっている。旨口で力強く、冷やしても常温でも美味。「おでんと合わせてみてください」とのこと。
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(取材・文/Sirabee編集部)