時代に流されず個性を150年守り育てる 新潟『かたふね』の身上はコクのある旨口
新潟の「淡麗辛口」とは少しイメージが違う、ふっくら丸い旨味のある酒とは。
■特別本醸造がIWCでトロフィー賞に
イギリスで毎年開催されるワインコンペは通称IWC。インターナショナル・ワイン・チャレンジの略称だ。この世界的に権威ある品評会には、2007年からはSAKE部門が設けられている。
「かたふね」は2013年に初めて出品するが、ここで驚くべきことが起きた。初出品にもかかわらず、特別本醸造がSAKE部門本醸造酒のカテゴリーで最高賞であるトロフィー賞を受賞したのだ。
審査結果による評価は金賞、銀賞、銅賞などがあるが、金賞を獲得した中で特に優れたものに授与されるのがトロフィー賞。
「かたふね」の主力商品がカテゴリーの頂点に立ち、世界に評価された瞬間だった。その栄誉は2015年にも訪れ、海外での注目度は高まっていった。
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■じわじわ増える海外への出荷率
「かたふね」の販路は地元・県内が75%で、あとは首都圏・全国・海外となっている。 「厳密に言うと今海外は7%ほど、米国が中心です。あとはロンドンと東南アジア。とくに米国へは私自身が何度も足を運んでいます」と、海外戦略について語る竹田蔵元。
2016年にはサンフランシスコ近郊にインポーターを独自に設立。レストランやスーパーマーケットなどで、地道に試飲販売会を開いている。
特にサンフランシスコでは、日本酒専門店があってSAKE DAYなどのイベントが開催されていることもあり、日本酒への関心度・認識レベルが高いという。
「かたふね」特別本醸造の現地市販価格は50~80ドルだが、やはり人気があるらしい。大吟醸古酒に至っては、日本の値段の約40倍、4000ドルの値がついて売られているそうだ。