米、水、人、そして佐渡 「朱鷺の島」の恵みを四宝和醸で醸す『真野鶴』

新潟県・佐渡ヶ島で『真野鶴』を醸す尾畑酒造を取材。

2017/12/26 22:00


真野鶴

『真野鶴』の蔵元・尾畑酒造は明治25(1892)年創業。酒造りのモットーは「四宝和醸(しほうわじょう)」。

これは尾畑酒造オリジナルの言葉で、酒造りの三大要素と言われる「米」「水」「人」に、それらを育む「佐渡」を加えた四つの宝の和をもって醸すという姿勢を現す。 


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■『世界農業遺産』の島

真野鶴

国連食糧農業機関(FAO)が認定する、世界農業遺産の島・佐渡。島では、朱鷺を中心とした生きものの多様性を育む農業が進められている。

その中でも生きもの調査を実施しながら化学農薬・化学肥料を減らして栽培している米を「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」で認定。

尾畑酒蔵では、認証米に指定され、さらに独自の牡蠣殻農法を取り入れた契約農家が栽培した越淡麗をはじめ、島南部の山間部で清水により育てられた五百万石、さらには昨年から新規に作付けを始めた佐渡産山田錦などを中心に使用。

こうした米を佐渡の山脈から得られる柔らかな水で仕込んでいる。


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■佐渡の風土を写す味わいを目指して

真野鶴

真野鶴の五代目となる専務の尾畑留美子さんは蔵の次女として生まれながら、東京で映画業界に身を置いていた。

そこで出会ったのが当時大手出版社で働いていた現社長の平島健さんだ。二人は1995年に結婚し、蔵に戻る。目指す味わいは佐渡の風土を写す、バランスのとれた透明感あふれる味わいだ。

酒の個性を生かしつつ、盃を重ねるごとに旨みが増していくのが理想という。その信念に基づいて造られた酒は、全国新酒鑑評会「金賞」、IWCゴールドメダルなどの受賞をはじめ、エールフランス航空ファーストクラス機内酒、トレインスィーツ四季島での採用など、高く評価されている。

海外展開では現在は16カ国に輸出。 尾畑酒造の経営理念は「幸醸心(こうじょうしん)」。この言葉も尾畑酒造のオリジナルだ。

平島さんは 「酒を醸すことで、幸せを醸していきたい」と言う。 尾畑さんは 「酒は故郷を伝える語り部。真野鶴を通して佐渡の魅力を広い世界に届けたい」と話す。

そんな二人の思いが詰まった新しい取り組みが、2014年にスタートした「学校蔵プロジェクト」だ。

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■「日本一夕日がきれいな小学校」を酒蔵に再生
日本酒蔵元新潟県
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