やわらかで華のある酒の魅力を世界に 日本の風土や文化とともに伝える『市島酒造』

新潟・新発田市から日本酒を世界に広め、国際的な酒コンクールで名誉ある賞も受賞している。

2017/12/29 22:00

日本最古の神社のひとつに数えられ、五穀豊穣を祈る神様として知られる諏訪神社。その参道沿いに位置するのが市島酒造である。

蔵の奥座敷には、手入れの行き届いた美しい庭園が見渡せる御茶処があり、往時の風情とよき日本文化を伝えている。


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■日本酒文化の発信拠点を担う

王紋

初代蔵元の市島秀松氏がこの地に市島酒造を創業して200余年。良質な米と豊富で軟らかな水を用い、越後杜氏の卓越した技で醸す酒は、地元新発田市をはじめ新潟県内で広く愛飲されている。

蔵の一角には、往時の酒造りや庶民の酒文化を想起させる酒造道具や酒器などの貴重な資料、そして市島家ゆかりの品々が展示された資料館が併設されており、自由に見学することが可能(当日受付)。

見学後は蔵元自慢の酒を試飲したり購入したりできるとあって、蔵を訪れる観光客が後を絶たない。

七代目蔵元で代表取締役社長の市島健二さんは、「常に最高の酒を醸し、飲み手の皆様には市島の酒とともに付随する酒文化にも触れていただきたい」と、酒造りを通して発信する日本酒文化に熱い想いを寄せる。

蔵の歴史や地域の風土に触れて口にする一杯は、さぞ格別だろう。


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■「市島」から世界の「ICHISHIMA」へ

王紋

「私の代での使命は、日本酒でインターナショナルな位置づけを確立すること」。そう語ると、市島社長は表情を引き締めた。

「海外には日本酒を飲んでいない人はまだまだいるし、知らない人もいる。時間も費用もかかることだが、誰かが前を歩まなければならないのです」


英語でのコミュニケーションに長ける市島社長は、これまでにもさまざまな立場から日本酒の海外需要拡大に携わってきた。

そんな中で行き着いた結論のひとつが、海外で単に商品を売るだけでなく、日本の文化や風土に直接触れてもらう機会を演出することだという。

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■屋敷の離れを御茶処に
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