元陸自が語る「自衛隊の年末年始は駐屯地駅伝が熱い」
体力エリートたちが持久力を競い合う
1月2日、3日に開催される箱根駅伝は、走者たちのがんばりに感動する、正月恒例の楽しみのひとつである。
だが、自衛隊駐屯地主催の駅伝が年末年始に開催されていることは、あまり知られていない。
Twitter上でも、ツイートされている数はほとんどないが、一緒に投稿された写真では、かなり参加チームも多いようだ。
郡山駐屯地主催の円谷駅伝大会に、会長代理として出席しました。
郡山駐屯地に所属した円谷幸吉選手を慕んだ大会です。
自衛官以外にも、郡山の高校生や一般団体も参加しています。 pic.twitter.com/RRYpZGooZf— 渡辺康平(福島県議会議員 自民党) (@kohei_w1985) November 12, 2016
■年末年始の目玉イベント「駐屯地駅伝」
しらべぇ取材班は、元陸自の30代男性に駐屯地の年末年始について話を聞いた。
元陸自30代男性:駐屯地駅伝は、駐屯地によって変わりますが、年末年始のイベントとしてあります。
自衛隊は29日から3日までは当直以外は休暇です。年次休みを消化して、20日ぐらいの長期休暇にして地元に戻る隊員も多いですが、駐屯地に残る隊員もいます。
私がいた駐屯地では、正月に餅つき大会もあって、100人分は作っていました。安倍川餅や磯辺焼きにして皆で食べます。
そんな中で一番盛り上がるのが、駐屯地駅伝でした。
国防のために常に多忙そうなイメージのある自衛隊。しかし、有事の際でなければ、年末年始はしっかり休めるようだ。
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■駐屯地内の自衛隊たち20チームで競い合う
では、駐屯地駅伝とはどんな大会なのだろうか。
元陸自30代男性:私がいた駐屯地の駅伝は、職種別に集まった20チームで競い合います。観客は参加しなかった隊員や、地元の人達で、結構、盛り上がっていました。
レンジャーのチームが断トツで強かったです。なので、2位争いが一番熱かったように思います。
参加する隊員たちは、体力テストで優秀な隊員からスカウトされ、数ヶ月前から練習します。仕上がった状態での競い合いなので、見応えがありました。
優勝すれば表彰されますが、副賞は特にありません。だからこそ、完全に自分の力試しのために参加する人たちばかりでした。
レンジャーの部隊は過酷な体力試験をクリアした上で、飲まず食わず寝ずで山篭りをするなど、極限に心身を追い詰める訓練を乗り越えた精鋭たち。規格外の存在は、やはり長距離走でも頭ひとつ抜けているようだ。
自衛隊隊員といえば、体力自慢ばかりの印象である。そうした中でも、更に選りすぐられたスポーツエリートたちによる駅伝。地元の駐屯地でもし開催していたら、観戦してみよう!
(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)