蔵人たちのこだわりが生みだす『越路吹雪』 独自の酵母と信濃川が育む米と水の恵み
蔵独自の「オリジナル酵母」にもこだわる新潟『越路吹雪』の蔵元を取材。
■独自の味わいと香りを生み出す蔵独自のオリジナル酵母
日本酒を醸すうえで重要なのが酵母である。協会酵母が主流だが、最近、蔵付き酵母や蔵独自のオリジナル酵母に注目している酒蔵も少なくない。高野酒造は早くから蔵付き酵母のオリジナル性に目をつけていた。
「農学博士の廣井忠夫先生より、蔵付き酵母で酒造りをしてみてはどうかとの指導を受けた。戦前はどの蔵も蔵付き酵母で醸してきた。他にはない酒造りがしたいという気持ちを先代や先の杜氏も持っていたのでしょう。
自家製オリジナル酵母を開発して18年以上経ちます。オリジナル酵母のおかげか、うちの酒は淡麗辛口系ですが、他の蔵と醸している味わいとは異なる。本来、地酒とは蔵の個性があるもの。画一的な味わいは魅力がない」
「高野酒造の酒は飲みやすいが、米の主張が強くて美味しいと称されたい」という高野社長。そんな酒を目指し、これからもとことん従業員全員で討論を繰り広げながら酒造りに臨むそうだ。
蔵元が進めるお酒を紹介しよう。
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①『越路吹雪 吟醸』
新潟県産米を100%使用し、低温でゆっくりと発酵させることによって、フルーティーな香りと爽やかで軽快な飲み口に。20年を超えるロングセラーの蔵の人気商品。
アルコール度数を少し抑え、とにかく香りが良く、日本酒初心者から日本酒通な方まで、おすすめできる吟醸酒。清純な香り・軽い・柔らか・すっきりした喉越しと4拍子そろっていて「食中酒」としても評判が高い。