淡麗辛口文化の新潟にあって「全量純米蔵」へ舵を切った理由 雪椿酒造に聞いた

越後の小京都、加茂市の雪椿酒造。その名の通りユキツバキから見つけた酵母も。

2018/01/24 22:00


 

■手仕事を中心とした酒造り

越乃雪椿

「蔵見学のお客様によく雰囲気がいいと言われるんですよ」と話すのは、製造リーダーの飯塚泰一さん。 造りのモットーは「和醸良酒」だが、お互いに適度な緊張感を持つことは、良い仕事を成し遂げるために必要な要素でもある。

そして、「手の届く造り」が昔からの伝統。効率よりも、造り手の感覚を大切にする手仕事主体の酒造りだという。

今も、洗米は10㎏ずつの手洗いで限定吸水、蒸米は米を少量ずつ張り重ねる抜掛け法。製麹には10㎏盛りの麹箱を使い、すべて人の手で調節できる手法が取られているそうだ。

必然的に造り手の連携は密になり、和やかな雰囲気になると現場を語った。


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■『酒造技術選手権』にて念願の首位に

越乃雪椿

この飯塚さん、若手ながら杜氏としての手腕は広く認められている。 そのきっかけは2015年。いくつもの賞を総なめにした。

まずは4月、『越後流酒造技術選手権大会』にて、当時35歳の飯塚さんは並みいるベテランを抑え堂々の首位に。これは県内酒造場が自醸酒を持ち寄り、酒質を競う恒例の大会。雪椿酒造にとっては初の栄冠となった。

続く5月の『全国新酒鑑評会』で金賞、10月には『関東信越国税局酒類鑑評会』で吟醸部門、純米部門ダブルで優秀賞に輝いた。しかも2年連続の受賞。飯塚杜氏への注目度が俄然、高まった。

純米蔵のスタートとともに杜氏の任に就いた飯塚さんだが、淡麗辛口市場の新潟にあって、個性の出やすい純米酒を造ることは大きな課題であったに違いない。

「目指したのは淡麗旨口です。スッキリした中に純米の旨みと甘みがバランス良くある酒。いわば本醸造と純米大吟醸を融合させたような酒です」と狙いを語る。

製造部は9人体制で年齢層は30代から50代後半まで。三季醸造で増石ニーズに対応し、現在1,500石を醸している。

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■雪椿酵母仕込みの純米吟醸が誕生
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