時には見切り発車でも現地へ 丸山ゴンザレスはいかに『雨傘革命』を取材したのか
『クレイジージャーニー』でも注目の裏社会ジャーナリスト・丸山ゴンザレスによる渾身のコラム。
■「雨傘革命」とは
ちなみに雨傘革命について、簡単に説明すると、中国の影響力が強まることを嫌がった学生たちが金融街を占拠して、「民主的な選挙をやりましょう!」と声を上げたことが発端になっていた。
今となっては対中国を見据えた周辺諸国の動きのひとつとして数えられるムーブメントではある。
ところが私が取材に行くと決めた当時、多くのメディアはあまり興味を示しておらず、実際現場に来ている日本のメディアも数えるほどであった。
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■いつの間にか警察隊の真ん前に
NHKのブースはあったが誰もいなくてガラガラで、海外メディアだとCNNとBBCが頑張っていたくらいだったかな。 それを横目に、私はそのままデモ隊の中を「偉い人居ない?」と尋ねながらどんどん進んで行くことにした。
すると、尋ねたデモ参加者から次々に「あっち」「あっち」と言われ、学生たちに指差された方向へと進んで行くと、最後には私の前には誰もいなくなった。私のはるか後方までたくさんの学生がいるのに。
結局、私は列の一番前まで通されてしまって、その前方数十メートル先にズラッと警官隊だけが並んでいる。
私が話しかけた方たちに「そこに海外から来て取材したいって言ってる奴がいる」「せっかくだから前へどうぞ」と勧められて、いつの間にか警官隊の真ん前まで追いやられていたのだ(笑)。
ちなみに、世界中の注目を集めるようになったきっかけは、警察による学生たちへの攻撃からだった。多くが10代の子供である学生に対して催涙ガスを打ち込んだのだ。民主国家において、許されないことである。
だから、警察を目の前にしている状況のリスクは十分に承知しつつも内心では「どうなるんだろう」という気持ちでいっぱいになっていた。