時には見切り発車でも現地へ 丸山ゴンザレスはいかに『雨傘革命』を取材したのか
『クレイジージャーニー』でも注目の裏社会ジャーナリスト・丸山ゴンザレスによる渾身のコラム。
■売れる記事を書くために現場に立つ覚悟
警察の前に立つ。その行為自体が、大手のメディアに所属している人ではむしろ無理なのだと思う。
インタビューはできるけれど、日本のメディアには体験取材があまり歓迎されないというか、所属元の会社としては基本的にその方法はNGなので、やらせてもらえない。だから、私は最初から体験さえすればネタにできるという確信があった。
当時、記事が書き上がるまでは私の文をどこも買ってくれる予定がないという状況で、見切り発車で現地取材に行っていた。
今では依頼が入ってから取材に行くことが多くなったが、この当時は自力で行って取材して、「この記事どうですか?」と売り込んで買ってもらうというパターンがほとんど。
年に1回か2回は、あらかじめ買い取ってもらう条件で行けることもあったにはあったが、取材経費が出るなんてことは滅多にない。
だからこの香港取材も完全に持ち出しで、「絶対プラスにしなきゃいけない!」という気持ちで臨んでいた。あの頃の絶対に売り込んで記事にしてやるという情熱は、今から振り返ってもものすごい熱量を持っていたと思う。
それもこれも身銭を切って取材をするということが、いかに大変なのか、リスクがあるのかを知っていたからだと思う。
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■取材記事を売り込む方法
ちなみに香港の取材はどうやって売り込んだのかといえば、facebookやtwitterにさりげなく取材内容を現地からレポートしたのだった。
これが意外に食いつきがよく、日本に帰る前から連絡が入っていて「すぐ書いてください」となった。おかげで、帰国の飛行機に搭乗する際には「帰ったらどうしよう」などと、妙な胸のざわつきもなく過ごすことができた。
まあ、さすがに警察の真ん前に立ってデモ隊のリーダーでもあるかのような振る舞いをしたことについては、ちょっとやりすぎたと思うので、今は少し反省もしていたりもする。
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(文/Sirabee編集部)