時には見切り発車でも現地へ 丸山ゴンザレスはいかに『雨傘革命』を取材したのか

『クレイジージャーニー』でも注目の裏社会ジャーナリスト・丸山ゴンザレスによる渾身のコラム。

2018/02/03 17:30

丸山ゴンザレス

海外を取材するとなると、渡航先の国の言葉が完璧に話せるとか、複数言語が操れるとか、大手通信社出身で勤務時代に作った人脈を駆使するとかいった経験やスキルがものをいう。

ジャーナリストのような仕事を始めた当初、自分で興味を持っているような分野はもちろんのこと、海外を軸に取材するジャーナリストには、すでにそういう人材が溢れかえっていた。


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■「後発組」の武器になった経験

正直、どうしようか……と、弱気になることもあった。 自分のような後発組がどうやって海外取材できるようになるのだろうか。

そんなことを考えていた時に、不意に思ったのは「自分にも他の人が持っていないような特殊な経験があるじゃないか」ということだった。

それが、日本の裏社会取材の蓄積だった。 気がついてみれば割と簡単なことで、海外取材でも日本の裏社会取材のときのような目線で、大手メディアやベテランジャーナリストがいない隙間を見つければいいんじゃないかと思うようになったのだ。


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■香港学生デモへ突撃取材

自分の海外取材の代表例のなかに2014年に香港で起きたオキュパイ・セントラル(雨傘革命)の学生デモの取材がある。あの時に私がとった方法は、「デモ隊を取材する」のではなくて「デモ隊に入って一緒に居る」というものだった。

取材者としては客観的に見るのがいいのだろうが、私としてはどんなスタンスでデモをしているのかはもちろんのこと、デモに参加している人たちが、どうやって時間を潰しているのか、トイレはどうしているのか、携帯のバッテリーはどうしているのかなど、デモに参加している人がどんな生活をしながらデモ隊を維持しているかというのが知りたかったのだ。

これも裏社会取材で学んだことだが、大きな事をなそうとすると、準備が必要であって、下支えする人たちが必ずいるということ。

別に裏社会に限ったことではないのかもしれないが、裏社会を取材する時に得た気づきのようなものがあったことで、そうした取材目線にたどり着けたのだった。

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