次期蔵元が手がける新ブランド『K』シリーズが快走 江戸時代から続く千代の光酒造

2011年に実家に戻った次期蔵元による新商品もヒット。

2018/02/11 22:00


 

■新シリーズ『K』の挑戦

千代の光

千代の光酒造には2015年、新ブランドが誕生した。銘柄名は『KENICHIRO』で通称『K』シリーズ、斬新なラベル文字が目を引く。 手がけるのは池田社長の長男で、8代目を継ぐべく修業中の常務取締役・池田剣一郞さんだ。

大学卒業後、東京でサラリーマン生活をしていたが、2011年、実家に戻ってきた。そして現場に入り酒造りに没頭する中から、「自分のお酒を造りたい」という思いがふつふつと芽生えたという。

蔵の基本路線であるやや甘口を守りつつ、新しい味わいを開拓したいと獅子奮迅。かくして契約栽培した五百万石を50%まで磨いて仕込んだ『純米吟醸KENICHIRO』が誕生し、「越後謙信SAKEまつり」でのデビューとなった。

以来、毎年ブラッシュアップを重ねている。使用米を五百万石から越淡麗に変えた『K 壱度火入れ』、遠心分離機を使って搾った『K 遠心分離 にごり酒 瓶火入れ』。

仕込みの麹使用率を3割に上げて甘みと酸味を表現した『K 三割麹』、2017年秋には『K 14%原酒』と、次々に新しい試みにチャレンジしている。

次期蔵元としての研鑽にも意欲的で、2017年に東京で開催された新潟マッドマックス「EGGs-新潟 若き蔵元の挑戦-」にも参加。新潟の若手蔵元が何を考え、どんな酒を造っているのかを披露した。


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■究極のこだわりで生み出される個性豊かな商品

千代の光

豪雪地帯ならではの環境を生かした製品もある。 例えば『千代の光 越淡麗 雪室熟成酒』。越淡麗を使い、手塩にかけて醸し上げた原酒を雪室で熟成させたもの。爽やかなさらりとした口当たりながら、深い味わい。

雪室貯蔵では『千代の光 遠心にごり 雪中貯蔵酒』もある。こちらは、五百万石をじっくり発酵させた生酒で、上槽には遠心分離機を使用。

また、遠心分離機使用の『千代の光 淡月』は、薄にごりで柔らかい味わい。遠心力を利用して酒粕と酒に分離するという上槽システムを10年以上も前にスタートさせて、『淡月』シリーズを中心に使用してきた。

遠心分離機は、ステンレス製なので酒袋の匂いが酒に移る心配がない。また密閉空間で上槽されるため、酒本来の香りを保持できる利点があるといわれる。 遠心力で分離された微粒子が漂い、口当たりのまろやかさが楽しめる。

その他にも、この蔵ならではのこだわりの酒のひとつが、『もち純米』。新潟産のもち米・こがねもちを使った純米酒で、ふくよかで豊かな甘みがあり、まろやかな飲み心地。しかし、もち米は粘りが強いので製造は困難。

もち米の王様といわれる高価なこがねもちを使い、しかも麹米は山田錦というからとても贅沢なお酒だ。

以下は蔵元お勧めのお酒。

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① 『千代の光 真 特別本醸造』
日本酒蔵元酒蔵新潟県山田錦越淡麗妙高市もち米千代の光信越本線ドメーヌこがねもち
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