上杉謙信の時代から続く酒蔵『吉乃川』 先人の技を受け継ぎ新たなチャレンジへ
400年以上の歴史を引き継ぎ、新潟の酒の名を高めてきた。
■農産部を立ち上げ原料米を自社生産
美味しい酒をリーズナブルに提供できるのは、大型タンク仕込みと、瓶詰め工程のオートメーション化によるところが大きいと、藤野さんは分析する。 蔵には20tの米を仕込める90klタンクがある。
1971年、これをどこよりも早く導入し、常に安定した酒質を実現した。瓶詰めは安心安全のためクリーンルームで行われている。
また、品質の良い原料米を将来にわたって確保できるようにと、2016年から農産部を立ち上げ、地元の田んぼで社員による自社生産を始めた。必要量の5~6%だが、将来は20%くらいに増やしたいという。
「米作りは次代に残さなければならない技術ですからね。自社生産によってノウハウを蓄積し、次の世代へつなげてゆくのも私たちの役目です」と藤野さん。
米作りに深く関わりながら、新潟の風土に根差した新潟の酒を造り、提供していきたいとの想いからだ。そこには新潟を代表する銘柄であり続けることへの、飽くなき挑戦魂が感じられた。
以下は蔵元がお勧めするお酒。
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①『厳選辛口 吉乃川』
吉乃川の定番晩酌の酒。新潟県産米を100%使用し、麹造りから辛口に徹して造り上げた。自然の旨みでスッキリとした辛口、きれいな口当たりが特徴。
②『吟醸 極上吉乃川』
吟醸蔵と呼ばれ、長い歴史を培ってきた吉乃川の傑作吟醸酒。
「淡麗で香味のバランスが良く、自然に次の手が出る飲み飽きしない酒」をコンセプトに、爽やかな吟醸香漂う透明感のある口当たりと、キレの良い後味に仕上げた吟醸酒。
③『杜氏の晩酌 本醸造 吉乃川』
日本酒の造り手の最高責任者である杜氏が自ら醸した中で、普段使いできるワンランク上の晩酌酒。酒米は全量「五百万石」を使用。どんな料理にも合わせやすく、冷酒でもお燗でも楽しめる。
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(取材・文/Sirabee編集部)