法で裁けない「殺人」 いじめの残酷さを描き尽くした脚本に感嘆『アンナチュラル』

学校でのいじめの実態に深く切り込んだ第7話。無情な実態に感嘆の声があがり、「生きろ」の言葉が響く…

2018/02/24 14:00



■「法律では裁けない殺人」ミコトの見解

いじめがあった事実をしっかりと受け止め、同僚の法医解剖医・中堂(井浦新)も加わっての決死の究明の末、横山の本当の死因と、白井の一見サイコパスな言動の真意を突き止めたミコト。

ミコトは横山の死因について、ライブ配信中に白井が朗読していた短編小説に出てくる「凶器を隠すトリック」を用いた「刃物による自殺」と断言。

さらに、「いじめっ子たちが使っていたナイフ」を凶器に使用することで、いじめっ子たちの殺害に見立てようとした、とも解説した。

しかし、これは「法医学的見解」であると述べ、「ここからは私故人の見解です」と前置きしたうえで、亡き友人を思う白井の真意を汲み取っていく。

横山の背中には、古いものと新しいものが混在する無数のアザがあり、ミコトは横山が「日常的にいじめを受けていた」ことを断言。さらに、そのような暴力が見過ごされてきたとも指摘。

「法医学的には『自殺』。でも、私は殺されたんだと思う。法律では裁けない『いじめ』という名の殺人。あなたはそれを、大勢の人に伝えたかった…」


と、ミコトは10万人にも及ぶ視聴者が見守る中、自身の見解を示した。


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■いじめ自殺の無情すぎる「その後」

横山の計画を知っていながら、助けることができなかった自分を責め続ける白井。ミコトに全てを暴かれ、顔を隠していたパプリカのエフェクトを切って素顔と本名を晒し「自分とYはいじめられていた」と訴えはじめる。

さらに、いじめっ子たちの名前も公言し「これは遺書です」と続け、視聴者が10万人に達したことを受けて、「もう1人…僕は、僕を殺す」とカメラの前でナイフを構える。

ミコトは…

「あなたを苦しめた人の名前を遺書に残して…それが何? 彼等はきっと転校して、名前を変えて、新しい人生を生きていくの。


あなたの人生を奪ったことなんてすっかり忘れて生きていくの。あなたが命を差し出しても、あなたの痛みは決して彼等に届かない。それでも死ぬの?」


と、無情な現実を語りかけた。間もなく、白井の居場所を突き止めた中堂らUDIラボの面々がライブ配信元に乗り込み、「生きろ」という中堂の強い言葉に導かれるように、白井の自殺は阻止された。


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■「いじめ自殺」の無情さを描ききった内容に感嘆の声

日々のいじめに苦しみながら、被害者が自ら命を断った後、命を懸けて訴えた「いじめの事実」が様々な工程でうやむやにされ、加害者には何の苦痛にもならない無情な現状を、克明に描いた第7話。視聴者からは感嘆の声があがる。

中には、学生時代にいじめを受けた経験のあるユーザーからの、悲痛な叫びのようなツイートも。

ラストには、謎の死を遂げた恋人の遺体の写真をミコトに見せ、中堂は正式に犯人探しの協力を要請する。中堂の「復讐劇」がどうなっていくのか…今後の展開も見逃せない。

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(文/しらべぇドラマ班・もやこ イラスト/みかごろう

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