激戦区長岡の地元で愛飲される『越乃白雁』 かつて天領だった米と良水を活かして

酒蔵が密集する長岡で、米と水にこだわり地元から愛される蔵。

2018/02/25 22:00

越乃白雁

中川酒造がある長岡市脇野町は、かつては三島郡三島町と呼ばれた地。農業、林業の一次産業とともに刃物産業、酒造業も盛んだった。いずれも大量の水を必要とする産業である。


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■人口3000人の町に3軒の酒蔵

「ここは水の質、量、ともに恵まれています。酒蔵は今は3軒ですが、少し前までは周辺も含めて5軒もあったんですよ」と話すのは、中川酒造の専務取締役・中川雅史さん。

長岡は今も新潟県最多の酒蔵数を誇る土地柄だが、中でも脇野町は異例。3軒に減少したとはいえ、この町の人口が3000人ほどであることを考えれば、驚きの数だ。

この地域に酒造りに適した良質の水が、豊富にあったことの証であろう。 ところで、酒造りにとっての良質な水とは、どんな水なのか。

まずは麹菌や酵母などの微生物が、活発に活動するためのカリウム、リン酸、マグネシウムが含まれていること。次に麹から酵素が溶け出すのを助け、酵素の働きを促進して発酵を助けるカルシウムなどが含まれること。

そして酒の着色の原因や香味の劣化を招く鉄やマンガンが少ないこと。さらに新潟清酒の特長である淡麗な飲み口にするには、適度な軟水であることが必要とされる。


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■良水がもたらした銘柄

越乃白雁

中川酒造は県道から1本山側の閑静な道路に面して蔵が建っている。裏手には急峻な山の斜面が迫り、その環境はいかにも山からの水が豊富であることをうかがわせる。

実際、この西山丘陵由来の水は地下10mから汲み上げられ、柔らかな井戸水は主要銘柄『越乃白雁』の仕込み水となっている。

「県道の下は湿地帯です。この沼には昔から白い雁が飛来していました。それが銘柄の名の由来です」


中川専務の話に、銘柄も酒質もこの地に湧く良水がもたらしたものであることを知った。

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■美しく青く透き通る神秘の水
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